筋肉注射

◆筋肉注射の目的
筋肉内に薬液を注入することを筋肉注射
又は筋肉内注射といいます。
筋肉は皮下組織の下にあります。
皮下組織よりも血管が多い為、皮下注射
よりも吸収が早いです。


●注射針のサイズ
21G 22G 23G
油性の薬液の場合は21G  
薬剤の種類によっては、20Gを使用するケースもあります。 


●注射する部位
三角筋(上腕外側の肩の筋肉)、
臀部(お尻)の中殿筋(外側の上)
大腿部、など。

上腕三角筋の注射部位
肩峰の約三横指下。

臀部の中殿筋の注射部位
クラークの点
上前腸骨棘と上後腸骨棘を結ぶ線の外側から1/3の部分。
上前腸骨棘は両側腸骨(骨盤最大の骨)の前方の突き出た部分。
腰に手をあてた時に前に触れる突き出た部分。
上後腸骨棘は両側腸骨後方の突き出た部分。
腰に手をあてた時に後方に触れる部分を後ろに辿っていくと、
上後腸骨棘に触れます。
腹臥位になった時はわかりやすい?
上前腸骨棘はわかりやすいですが上後腸
骨棘はわかり難いですかね?

4分3分法
臀部片側の左右上下それぞれニ等分にします。
全部で4等分になります。
片側臀部の中心(4等分になった中心)
から上方の外側45度の角度で線を引きます。
引いた線を3等分します。
注射部位は45度で引いた線の外側1/3の部分になります。

ホッホシュテッツの部位
実施者(注射する人)の手掌を大転子部に置いて指を開きます。
第2指(人差し指)を上前腸骨棘に置い
た時に、第2指と第3指及び腸骨稜に囲
まれた中心が注射部位になります。
大転子は大腿骨上部の外側に突き出た部分
側臥位にするとわ かりやすいですかね。

多く実施されているのは4分3分法。
安全性がより高いのはクラークの点。

子どもや痩せている方は、お尻に注射した方が安全です。


●注射液の量
1~5ml
量は目安です。
薬液の種類や年齢などにより異なります。


●注射針挿入時の角度
注射部位に対して90度


●注射後のマッサージ
よく揉む
よく揉むことにより、薬液の吸収を良く
して、硬結(しこり)や疼痛、変色などを防ぎます。

揉んではいけない薬液もありますので、
注射する時は薬剤師や医師に確認してくだ
さい。
薬剤に添付されている説明書の確認も必要です。 


●注意すること
皮下注射と同じですが、皮下注射よりも
深く刺すためより注意が必要です。
筋肉内は血管も多いため穿刺後、注射器
内に血液が逆流してきたら速やかに針を抜いて圧迫します。
激痛がした場合もただちに針を抜きます


皮膚の構造
体の表面から順に表皮 真皮 皮下組織
から成り立っています。
皮下組織の下が「筋肉」になります。
体表面に近いほど、体内への吸収が速度が遅くなります。
吸収速度が違うことにより、目的も違ってきます。


続きはこちらです→ アンプルカットについて

注射と穿刺 項目一覧


◇参考文献
書籍
「写真でわかる基礎看護技術① 看護技術を基礎から理解!」
インターメディカ p27~p36
「最新医学大辞典」医歯薬出版株式会社

インターネット
ウィキーペディア
ja.wikipedia.org/wiki/注射