◆交換の時期
●初回の交換
瘻孔自体は造設後2週間~1ヶ月程で完成
する様ですが、交換する時は交換時に耐
えられるだけの強度が必要になります。
瘻孔がカテーテルの抜去や挿入する時の
抵抗に耐えるだけの強度になるまでには
造設後3~6ヶ月は必要だといわれています。
●二回目以降の交換
胃内固定板の種類により異なります。
バルーン型の場合は月に一回の交換が推奨されています。
バンパー型の場合は4~6ヶ月毎が目安
になりますがトラブルがなくカテーテル
自体も変形や変質などなく清潔が保持さ
れていれば1年またはそれ以上の期間、
交換する必要がないケースもある様です
◆交換の方法
胃瘻カテーテルを交換する方法には、
内視鏡を利用して内視鏡下で交換する
方法と内視鏡を使用せずに交換する方法があります
内視鏡を使用しない方法を経皮的又は用手的交換といいます
●内視鏡的交換
医師が実施します。
医療機関で実施します。
内視鏡的交換が実施されるケースとして
は主に胃内固定板がバンパー型の胃瘻
カテーテルを交換する際に実施されています
*用手的交換が可能なバンパー型の胃瘻カテーテルもあります。
又胃内固定板の種類に関係なく瘻孔の
損傷や誤挿入のリスクが高い場合や胃瘻
カテーテルの破損や老朽化などの時にも
実施されます。
患者さんの苦痛は大きいですが安全で
確実に胃内に挿入されます。
●用手的交換(経皮的交換)
看護師でも実施できます。
在宅でも実施できます。
内視鏡を使用せず用手的な方法で交換します。
抜去の方法は胃内固定板の種類により異なります。
バルーン型の場合はバンパー型の場合より簡便です。
バンパー型の場合は専用の付属機器を
利用して交換します。
用手的交換はバルーン型もバンパー型も
内視鏡的交換と比べ手技は簡単ですが、
瘻孔の損傷や誤挿入のリスクもある為、
挿入後の確認が必須になります。
◆挿入後の確認方法
①送気音の確認
在宅でも実施できます。
注射器で空気を注入して確認します。
胃部、胸部、腹部に聴診器をあてて音を確認します。
胃内に挿入されていれば空気を送り込む
時に胃部上で水泡音等がします。
胃内容物(胃液や栄養剤等)が少ない時
は水泡音がはっきりわからない時もある
為、注意が必要です。
胃部以外の部位で聞こえる場合は腹腔内
へのご挿入の可能性があります。
②胃内容物とpHの確認
在宅でも実施できます。
注射器で吸引してみます。
胃液や栄養剤などが吸引できれば胃内に
挿入されていることになります。
さらにpHを確認することでより確実になります。
強く吸引すると粘膜を損傷する可能性が
あるため注意が必要です。
胃内容物が少ない場合は吸引できない場合もあります。
③着色水による注入液体回収確認法
色素液(着色水)を利用して確認する方法です。
この方法は確実性が高く在宅でも実施できます。
胃瘻カテーテルを抜去する前に予め胃内
に色素液を注入しておきます。
新しい胃瘻カテーテルを挿入後に、注入
した色素液を吸引又は自然排液が確認
出来たら胃内にに挿入されていることになります。
色素液にはインジゴカルミン希釈液等があります。
インジゴカルミンを使用した方法をスカイブルー法といいます。
色素が青い為です。
④レントゲン(X線)撮影での確認
胃内に造影剤を注入して造影剤の位置を確認します。
確実な方法ですが医療機関でしか実施できません。
*誤挿入の場合は?
胃内に挿入されていれば問題ありません
が誤挿入の場合は造影剤が腹腔内に漏れ
ていることになります。
腹腔内に漏れても体内に吸収される水溶
性の造影剤ガストログラフィン等を使用
するため心配はない様です。
⑤内視鏡での確認
胃内に内視鏡を挿入して直接、確認する方法です。
最も確実な確認方法になります。
医療機関でしか実施できません。
①②は不確実の為、在宅では③を併用することが推奨されています。
⑤はコストが高いですが最も確実な方法になります。
胃瘻から挿入する内視鏡について
内視鏡は主に経口的に挿入する場合が殆
どですが胃瘻カテーテルから挿入できる
内視鏡が開発されています。
技術的な問題やコスト面の問題などある
様ですが在宅でも使用できる為、患者
さんにとっても実施者側にとっても負担
が少なく有用な方法になります。
医師が実施します。