◆脈拍数の測定時間
1分間の測定が基本になりますが、整脈
であれば、15秒又は30秒間でもいいとされています。
記録は1分間の測定値で記録します。
15秒の場合は4倍、30秒の場合は2倍の数値になります。
不整脈がある場合は正確に1分間又は
2分間測定します。
◆測定時の注意点など
強く押さえずに、3本の指(示指、中指、
環指)の腹を軽くのせて脈の触れるのを
確認してから測定します。
部位によっては、少し力を入れる場合もあります。
橈骨動脈や足背動脈、総頸動脈は、指を
あてるだけ、又は軽く押さえるだけで
触知出来る場合が殆どですが、他の動脈
は少し押さえ込むようにして、指をあて
ると、触知し易くなります。
人により血管の走行は異なる為、拍動を
感じる部位も多少異なってきます。
部位や体格、年齢などによって触知し難い場合があります。
触知しにくい場合は、少し力を入れて
みたり、触診する部位をかえます。
循環器疾患等がある場合は部位によって
は触れにくくなります。
血液循環障害の程度や有無を確認する時
は心臓から遠い橈骨動脈や足背動脈から
左右同時に触診して確認してみます。
皮膚の温度や色、冷感、しびれなどの
症状も確認します。
左右差があれば、血圧を測定します。
ショック等で血圧が低下している場合は
心臓により近い総頸動脈や大腿動脈等で触診します。
総頸動脈触診時の注意点
総頸動脈の触診の際は、脳への血流障害
や迷走神経を刺激する危険がある為、
左右同時の触診や強い圧迫は避けます。
頸動脈洞を強く圧迫すると、迷走神経が
過剰に反応して、徐脈や血圧低下を引き
起こす危険があります。又、両側同時に
圧迫すると、脳への血流障害の危険があります。
特に高齢者の場合は注意が必要です。
*頸動脈洞には血圧を感受する圧受容体があります。