ここでは成人の場合の吸引方法をまとめてあります。
一つの例として参考にしていただければと思います。
ひとり一人看護の方法は異なりますので、
詳細に関しては 担当医師や看護師などと
よくご相談ください。
各医療機関や医師、看護師などにより、
治療方針や看護方針、手技、取り扱う医療
機器など異なる場合もあります。
一つの参考例としてご利用頂ければと思います。
◆吸引の順番は?
理想としては上から順番に吸引。
鼻腔(咽頭も含む)⇒ 口腔内(咽頭も
含む)⇒ 気管。
鼻腔内(咽頭も含む)を吸引後、カテー
テルをアルコール綿などで拭いて通水後
同じカテーテルで口腔内(咽頭も含む)を吸引。
最後に、気管用カテーテルで気管内を吸引。
清潔保持の観点からみれば、口腔内から先
に吸引してから鼻腔内を吸引した方がいい
様に感じますが、口腔内(咽頭も含む)
から先に吸引した場合は、鼻腔内(咽頭も
含む)の分泌物が再び口腔内に流入する可能性もあります。
◆カフ付きのチューブ類を挿入している場合は?
鼻腔(咽頭も含む)⇒ 口腔(咽頭も含
む)⇒ カフ上部 ⇒ 気管
気管用とその他(口腔、鼻腔、咽頭、カフ
上部)のカテーテルは別にします。
口腔、鼻腔、咽頭、カフ上部のカテーテル
は同じカテーテル。
コスト面などを考慮して同じカテーテルを
使用する場合は
あまりお勧めできませんが・・・・・
気管内から先に吸引して鼻腔、口腔内を
吸引するか、鼻腔、口腔内を吸引後、アル
コール綿などで拭いて通水後、気管内を吸引。
◆従来と異なる点は?
人工気道(気管カニューレや気管内チュ
ーブなど)が挿入されている場合は、
カフで上部の分泌物が気管内へ流入する
のを防いでいます。その為、先に気管内
から吸引している場合もあるかと思います。
気管内の吸引を先にすると、吸引時に
気管内及び肺の陰圧が高くなる為、カフ
上部に貯留している分泌物がカフの隙間
を通り、気管内へ流れ込んでしまうこと
になります。それを少しでも防ぐには、
上部に貯留している分泌物を、先に吸引
してから、気管内の吸引をした方がより安全です。
カフ付きのチューブが挿入されていても、
鼻腔内、口腔内、咽頭、カフ上部に貯留
している分泌物から先に吸引しておいた方
が、気管内への流入を少しでも防ぐことができます。