胃瘻 概要

◆胃瘻とは?
経口摂取が困難な方などに、直接胃内に
流動食や水分などを送り込む方法があります。
管(チューブやカテーテル等)を介して
栄養や水分を補給する方法を経管栄養法といいます。

胃瘻とは、栄養チューブを胃の中に通す
ための穴のトンネル(瘻孔・ろうこう)
のことです。腹壁と胃に穴を開けて胃瘻
を造設します。

病的に形成される穴もあります。潰瘍や癌
などが横行結腸に癒着して穴があき瘻孔が
出来る、胃結腸瘻がよく知られています。
ここでは、栄養補給を目的とした人工的な
胃瘻についてまとめてあります。
栄養補給以外では胃内の減圧を目的として
造設される場合もあります。癌などで閉塞
や狭窄がある場合が対象になります。


◆どんな人に胃瘻を造設するの?
胃瘻は口から体に必要な栄養を摂れない
方に対して実施される栄養補給の一つです。
経口摂取が困難でかつ胃腸が正常に働い
ている場合に実施されます。

目安として、経管栄養が3カ月以内の短期
の場合は経鼻栄養法、3カ月を超える場合
は胃瘻栄養法を選択するといわれています
病院によっては、1ヶ月を超える場合にも
実施されるケースもあるようです。


◆口から食事を摂れない方で他の経管栄養法より有効な場合
☆印は他の栄養法でも有効です。

咽頭、食道、胃の入り口(噴門部)の癌などの病気
全身状態の悪化で食欲がない方
神経や筋肉の病気で嚥下が困難な方
クローン病
経鼻カテーテルが挿入出来ない場合など(鼻の病気など)
摂食障害
脳血管障害等で麻痺のある方、痴呆の方
その他の嚥下困難
誤嚥で肺炎の危険のある方


◆胃瘻が適さないケース
胃疾患、胃の手術等の上部消化管の手術
の既往のある方
腹水、極度の肥満、肝肥大、横隔膜ヘル
ニア、門脈圧亢進、腹膜炎、腹膜透析、
妊娠、出血傾向など
PEGの場合は咽頭や食道などに疾患が
あって胃内視鏡が挿入出来ない様な場合

続きはこちらです→ 胃瘻のメリットとデメリット



胃瘻 項目一覧



◇参考文献
書籍
「PEG(胃瘻)栄養・適切な栄養管理を行うために」改訂版フジメディカル出版 2009
「胃瘻PEG合併症の看護と固形化栄養の実践」日総研 2007
最新医学大辞典(医歯薬出版株式会社)
広辞苑
ポケット看護辞典(廣川書店)

インターネット
ウィキペディア
ja.wikipedia.org/wiki/胃瘻
ja.wikipedia.org/wiki/食事療法
ja.wikipedia.org/wiki/流動食
PEGドクターネットワーク
www.peg.or.jp/
経皮内視鏡的胃瘻造設(PEG)業績紹介ページ
http://peg.fukiage-clinic.com/
日本流動食協会
www.ryudoshoku.org/