心電図波形の振れ


電気はマイナス電極からプラス電極へ流れます。
心臓の電気的刺激と同じ流れの方向に
電極をつければ波形は上向きになります
心臓の電気の流れの上方にマイナス電極
下方にプラス電極をつければ、心電図の
波形のフレは上向きになります。
反対に、上方にプラス電極、下方にマイ
ナス電極をつけると、フレは下向きになります。

標準肢誘導(双極肢誘導)の3誘導は
全て上向きの波形になります。
Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ誘導は上方にマイナス電極、
下方にプラス電極がおかれる為、フレは
上向きになります。

単極肢誘導の場合は、心臓内の電気が
向かっている方向に位置している電極は
上向きに振れ、遠ざかっている方向に
位置している電極は下向きに振れます。
aVR誘導では右側に電極をつけている
為、心臓内の電気の流れを見送る形に
なり、振れは下向きになります。
右手がプラス電極で、左手・左足の結合
電極(不関電極)がマイナス電極になる
ため、波形は下向きになります。
aVF誘導では、左下に電極をつけている
為、心臓内の電気の流れを迎える形にな
ります。その為心電図の振れは上向きになります。
左手がプラス電極で、右手・左足の結合
電極(不関電極)がマイナス電極になる
ため、波形は上向きになります。
aVL誘導では、左側に電極があり心臓内
の電気の流れを迎える形になり、上向き
の振れになります。
左足がプラス電極で、左手・右手の結合
電極(不関電極)がマイナス電極になる
ため、波形は上向きになります。

胸部誘導V1~V6全て、心臓内の電気
の流れを迎える形になり、振れは上向きになります。
不関電極(マイナス)は3極(右手、左
手、左足の電極)の中央に置かれます。

V1の場合のP波は二相性に振れます。
P波の前の部分が上向きで、後の部分が
下向きに振れます。
最初は電極の方に向かっている様に見え
ますが、その後遠ざかって行くように見えるためです。

心臓の大きさ、傾き、位置などは個人によ
って異なります。
電気軸等の違いで、波形の大きさやフレの
向き等は異なってきます。


続きはこちらです→ 波形の種類と意味






心電図項目一覧


◇参考文献
書籍
「心電図・ナースのためのワークブック」金芳堂
「ナース必携最新基本手技AtoZ」EXPERT・NURSE 保存版 小学館
「ナース必携・心電図マニュアル」 臨時増刊号 保存版 小学館
「写真でわかる基礎看護技術②」株式会社インターメディカ
「最新医学大辞典」医歯薬出版株式会社

インターネット
ウィキペディア
https://ja.wikipedia.org/wiki/心電図