◆一般的な方法
一般的には清潔な採尿コップなどで自然
排尿時に採取します。
採取する尿は中間尿になります。
外尿道には少量の細菌等が存在している
為、排尿開始の初尿と排尿の終わりごろ
の後尿はそのままトイレに流し中間の尿を採取します。
採尿時は尿が汚染されないように採取します。
特に女性の場合解剖学的に汚染され易い
構造になっているため注意が必要です。
細菌検査時の採尿は通常の一般的検査より
厳密な清潔操作が必要になります。
◆24時間畜尿の採取方法
畜尿開始前に排尿し膀胱を空にしておきます。
膀胱を空にしてから以降の尿を24時間、
畜尿瓶などに溜めます。
例えば、朝8時に排尿した場合は翌朝の
8時まで畜尿します。
朝8時に排尿した尿は捨て、それ以降の
尿を翌朝の8時迄全部溜めておきます。
翌朝の8時が最後の排尿になる様にします。
◆尿細菌検査時の採取方法
滅菌の採尿コップ等に尿を採取します。
●中間尿の採取
外尿道口を消毒綿などで清潔に拭き取ります。
消毒綿などの薬液が残らない様に滅菌水
等で湿らしたガーゼ等で拭きとります。
採尿コップの内側は不潔にならない様に
手指や衣類等が触れないようにします。
男性の場合は中間尿でも大丈夫ですが、
女性の場合は解剖学的上、不潔になり易
いため、カテーテルを挿入して尿を採取
する方法が望ましいとされていますが
消毒と清潔操作をしっかり実施できれば
中間尿でもいいと思います。
●導尿による採取方法
滅菌カテーテルを尿道に挿入し膀胱内に
貯留している尿を直接採取する方法も
あります。この方法の最大のメリットは
外尿道に存在する細菌などの混入を確実
に防ぐことが出来より正確な検査結果を得られます。
デメリットとしては、カテーテルを挿入
する際に、清潔操作が確実に実施されな
いと細菌感染のリスクがあります。又、
尿道の粘膜を傷つけたり炎症を起こす
可能性もある為、細心の注意が必要です
◆その他の採取方法
●初尿の採取方法
尿道炎が疑われるときは出始めの尿
(初尿)を採取します。
●二杯分尿法(二杯試験、トンプソン試験)
膿尿や血尿など肉眼的に確認できる混濁
がある場合に、その原因となる病巣部を
簡便に特定する為の採尿方法。
排尿の始め1/3程をひとつ目のコップに
残りの2/3を二つ目のコップに採取します。
ひとつ目のコップが混濁していれば前部
尿道(外尿道口に近い尿道)、二つ目の
コップが強く混濁していれば、後部尿道
(内尿道口付近)又は膀胱頸部、二つ共
混濁が同じようにあれば、膀胱あるいは
それより上方(尿管・腎臓)に病巣が
あると推定できます。
◆正しい尿の採取方法は?
採尿の時間帯は、食事の影響を避ける為
食後2時間以上経過してからの尿がいい
とされています。
激しい運動後は避けます。
一般的な尿の採り方は、尿道や尿道口の
雑菌などの影響を避ける為、出始めの尿
ではなく中間の尿をとります。
続きはこちらです→ 尿の一般検査
一般的な中間尿と細菌検査時の中間尿
尿一般検査での尿の採取時は厳密な
清潔操作は必要ありません。外尿道
口やその周辺部位の消毒はしません
清潔に拭き取る程度になります。
細菌検査の場合は、より正確な検査
結果を得る為には厳密な清潔操作が
必要になります。
膀胱内や尿道(外尿道を除く)は通常
は無菌状態な為、尿も無菌の状態に
なります。その為、尿検査で細菌が
検出された場合は感染症が疑われます。
消毒や清潔操作をしっかりして採尿
が出来れば正確なデータを得られます。
消毒や清潔操作が不十分な場合は、
外尿道やその周辺に存在する細菌等
が尿に混入するリスクが高くなりま
す。そうなると実際は細菌感染して
いなくても検査結果では細菌が検出
され、誤ったデータがでる可能性があります。
外尿道とは?
尿道は膀胱内に貯留している尿を
体外へ排出する為の尿の通り道になります。
膀胱内の尿は内尿道口を通って尿道
に入り、外尿道口を通って直接体外へ排泄されます。
外尿道口付近を外尿道といいます。