◆血圧とは?
血液が血管の壁に及ぼす圧力のことです
心臓の左心室から血液が全身に送り出されます。
心臓が収縮することにより、左心室内の
血液を動脈に送り出しています。
この収縮時に全身の動脈に圧力がかかります。
血管は動脈と静脈、毛細血管などがあり
ますが、血圧と言えば通常、動脈の血圧をさします。
血圧は血管の場所によって異なります。
通常は上腕動脈の血圧を基準にしています。
◆血圧の基準値
WHO(世界保健機構))国際高血圧学会(ISH)の分類
正常範囲
収縮期血圧(最高血圧)
140mmHg 未満
拡張期血圧(最低血圧)
90mmHg 未満
日本高血圧学会2009年版の分類
★成人における血圧値の分類
正常範囲
至適血圧
120未満 かつ 80未満
正常血圧
130未満 かつ 85未満
正常高値血圧
130~139 または 85~89
高血圧
Ⅰ度高血圧
140~159 または 90~99
Ⅱ度高血圧
160~179 または 100~109
Ⅲ度高血圧
180以上 または 110以上
(孤立性)収縮期血圧
140以上 かつ 90以上
(診察室)血圧に基づいた脳血管リスクの層別化
リスク第一層
危険リスクがない
リスク第二層
糖尿病以外の1~2個の危険因子、メタボリックシンドローム)
リスク第三層
糖尿病、CKD、臓器障害/心血管病、
3個以上の危険因子のいずれかがある
正常高値血圧 130-139/85-89mmHg
リスク第一層 付加リスクなし
リスク第二層 中等リスク
リスク第三層 高リスク
I度高血圧 140-159/90-99mmHg
リスク第一層 低リスク
リスク第二層 中等リスク
リスク第三層 高リスク
II度高血圧 160-179/100-109mmHg
リスク第一層 中等リスク
リスク第二層 高リスク
リスク第三層 高リスク
III度高血圧 ≧180/≧110mmHg
リスク第一層 高リスク
リスク第二層 高リスク
リスク第三層 高リスク
以前は、収縮期/拡張期血圧が160/95mmHg以上を
高血圧とよんでいましたが、最近の研究の結果で140/90
を超える状態で日常生活を送っていると、数年後に高血圧に
よる合併症の頻度が上昇することが明らかとなった様です。
◆血圧の測定方法
血圧の測定方法には、大きく分けて、
非観血的動脈圧測定と観血的動脈圧測定があります。
観血的動脈圧測定方法
直接、動脈内にカテーテル等を挿入して
圧を測定する方法です。
この方法は、より正確に心臓等の機能を
観察する時などに用いられます。
非観血的動脈圧測定方法
一般的に広く測定されている方法です。
動脈が触れやすい腕や手首になどに、
カフを巻いて測定する方法です。
医療機関等では、上腕動脈が触れる少し
上から、カフ(マンシェット)を巻いて
測定する場合が殆どです。
ここでは、通常測定している非観血的動脈圧測定方法を説明してあります。
◆測定部位
上腕部(上腕動脈)
心臓に一番近いところにあり、測定しやすい。
下肢(膝窩動脈、足背動脈など)
〇足背動脈
上肢での血圧測定が出来ない場合は、
足背動脈で測定する場合が多い。
〇後脛骨動脈
足首の内側
〇膝窩動脈
腹臥位で測定
大腿の下1/3が隠れるようにカフを巻く
(幅は、太股の約20%広いもの)
血圧の種類
血圧には、動脈血圧、静脈血圧、
毛細管血圧があります。
私たちが通常、医療機関や家庭で測る
血圧は動脈血圧になります。
動脈血圧に関係する因子
左心室の収縮力、末梢血管抵抗、循環血液量
メタボリックシンドロームの診断基準
*腹囲は必須項目
腹囲
男性85cm以上
女性90cm以上
*腹囲に以下の項目のうち2項目以上
血圧
収縮期血圧 130mmHg 以上
かつ/または
拡張期血圧 85mmHg以上
血糖
空腹時血糖値 110mg/dl 以上
脂質異常
中性脂肪値 150mg/dl以上
HDLコレステロール値 40mg/dl未満