房室ブロックについて


◆房室ブロックの種類

房室ブロックは、心房から心室への刺激
伝達が障害されている状態になります。
洞結節から発生した刺激が心房に伝わっ
ても、心房と心室の間にある房室接合部
に障害があると、心室への刺激が伝わら
なかったり伝わり難くなったりします。
房室ブロックは程度により、第Ⅰ度房室
ブロック、第Ⅱ度房室ブロック、第Ⅲ度
房室ブロックに分類されています。

◆第Ⅰ度房室ブロック

第Ⅰ度房室ブロックは心房から心室への
伝達時間が遅くなります。
興奮に時間がかかっても必ず心室には伝わります。
心電図上の特徴は、P波からQ波(又は
R波)の間隔が長くなります。
PQ間隔(PR間隔)の延長ともいいます。
0.2秒以上の延長が見られる場合を
第Ⅰ度房室ブロックといいます。
P波の数とQRS波の数は同じです。
脈拍は比較的、規則的な拍動になります


◆第Ⅱ度房室ブロック

第Ⅱ度房室ブロックはさらに2つに分類されています。
Ⅰ型(ウェンケバッハ型・モービッツⅠ型)とⅡ型(モービッツⅡ型)があります。

Ⅰ型は心房から心室への伝達時間が徐々
に遅くなり、心室の興奮が1回抜ける状態になります。
心電図上ではPQ(PR)時間が、心拍
ごとに徐々に延長していって、QRS波
(心室の興奮)が1回抜けます。
その後は、再びQRS波が出現します。
QRS波の数の方がP波の数より少し、少なくなります。
脈拍は不規則になります。

Ⅱ型は心房から心室への刺激は心拍ごと
に同じ間隔で伝わりますが、突然遮断された状態になります。
心電図上ではPQ(PR)時間は、
心拍ごとに同じ間隔で現れますが、突然
QRS波が抜けるタイプになります。
P波2個に対してQRS波が1個出現する
こともあり、これを2:1ブロックといいます。
脈拍は不規則になります。

◆第Ⅲ度房室ブロック

第Ⅲ度房室ブロックは、心房から心室へ
の興奮が完全に途絶える状態になります
心房と心室が全く別の調律をとります。
心房と心室の関連性は無く、それぞれ
固有のリズムで興奮します。  
心電図上では、P-P間隔、R-R間隔
はそれぞれ等しくなります。
QRS波の数の方がP波の数より大分、少なくなります。
脈拍は非常に少なくなりますが、リズムは規則的です。

重症度の高い房室ブロックは、第Ⅲ度房室
ブロックと第Ⅱ度房室ブロックのモービッツⅡ型になります。
心室の興奮が極端に減少すると、循環不全を起こします。
特に脳への血流が少なくなるとアダムスト
ークス症候群(アダムストークス発作)を起こします。
人工ペースメーカーなどの速やかな治療が必要になります。

脈拍が触れるのは、血液の拍出量が充分に
あり、心電図のQRS波(心室の興奮)が
正常にでている時になります。


続きはこちらです→ 頻脈性不整脈

洞(結節)機能不全症候群(病的洞機能症候群)
シックサイナスシンドローム(SSS)
洞結節の働きが悪く、高度の徐脈や洞性
不整脈、上室性不整脈を引き起こす病態になります。
脳循環障害が起こるとアダムストークス
発作を引き起こします。
SSSに含まれる不整脈には高度の
洞徐脈、洞停止又は高度の洞房ブロック
徐脈頻脈症候群(BTS)があります。

アダムストークス症候群(アダムストークス発作)
心臓から脳へ拍出される血液が停止又は
極端に減少して脳虚血となった状態で、
眩暈や意識消失、痙攣などの症状が現れ
最悪、死にいたることもある病態。
原因は、洞休止や高度房室ブロック、
心室細動による心停止、心房細動、
心房粗動、心室頻拍などがあります。

徐脈の原因
徐脈の原因には、洞機能不全症候群、
心筋炎、脳圧亢進、甲状腺機能低下症、
神経原性ショック、脳圧亢進、
薬剤(β遮断薬やジギタリス製剤など)等があります。
徐脈の種類には、洞性徐脈、洞停止、
房室ブロック、脚ブロック、徐脈性心房
細動などがあります。心電図で鑑別します。

徐脈が全て異常ではありません。
スポーツ選手では50回未満の場合もあるようです。


補充収縮
洞結節からの刺激が無かったり、
ブロックなどで刺激が、心室まで伝わら
ない場合は心房や房室接合部、心室から
自動的に刺激がおこり収縮することがあります。
これを補充収縮といいます。
補充収縮が起こるのは、徐脈の時に見られます。

心臓の刺激伝導系
正常な刺激伝導では、右心房の上大静脈
基部にある洞(房)結節から電気的刺激
が規則正しく発生します。ここから発生
した刺激が、心房から心室へと伝わります。
洞結節が正常に機能している状態を正常洞調律といいます。
洞結節に次いで右心房、少し遅れて左心房が興奮します。
さらに心房と心室の間にある房室結節に
興奮が伝わり、心室中隔にあるヒス束を
通り左脚と右脚に伝わります。
最後にプルキンエ線維によって心室心筋に刺激を与えます。

プルキンエ線維はヒス束から始まり、左脚
右脚にわかれ、枝分かれし、心室の内壁を覆っています。







◇参考文献
書籍
「最新医学大辞典」医歯薬出版株式会社 p19 徐脈性不整脈 p685 洞房室ブロック p1329 p1018
「心電図・ナースのためのワークブック」金芳堂 p8 p92 p104
「ナース必携心電図マニュアル」小学館 p79 p92
「ナース必携最新基本手技AtoZ」EXPERT・NURSE 保存版 小学館 p118~

インターネット
ウィキペディアHPHP内
http://ja.wikipedia.org/wiki/徐脈
http://ja.wikipedia.org/wiki/房室ブロック