脈拍を体表面から触知出来る動脈には、
橈骨動脈、上腕動脈、総頸動脈、
大腿動脈、膝窩動脈、後脛骨動脈、
足背動脈、浅側頭動脈、尺骨動脈などがあります。
一般的な測定部位は橈骨動脈になります
◆橈骨動脈
第一選択としては橈骨(とうこつ)動脈
で触診します。
手の母指(親指)側を走る動脈で、手首
(内側)の親指側を触ると拍動を感じます。
◆上腕動脈
上腕動脈は上腕二頭筋(肩関節と肘関節
の間・二の腕・力こぶ)の内側を走行
しています。肘の中央よりやや小指側に
位置しています。
肘関節の少し上にあります。
◆大腿動脈
大腿動脈は鼠径部(太腿の付け根)にあります。
大腿中央よりやや内側に、位置しています。
大腿の付け根から下腹部にかけての少し
窪んだあたりにあります。
◆膝窩動脈
膝窩動脈は膝の裏側の中央あたりを走行しています。
確認しにくいです。
◆後脛骨動脈
後脛骨動脈は、内踝(内くるぶし)と
アキレス腱の間を走っています。
◆足背動脈
足背動脈は、足背(足の甲)の部分を走行しています。
足の第二趾と第三趾の間あたりを、
上(足首の方)に指で辿っていくと触れを感じます。
◆総頸動脈
触知出来る体表面の動脈の中で心臓に
一番近い動脈になります。
総頸動脈は、頸の左右両側にあります。
下顎角(えら)のすぐ下あたりに指をあてると拍動を感じます。
◆浅側頭動脈
こめかみのあたりを走行しています。
確認しにくいです。
◆尺骨動脈
手の小指側を走る動脈で、手首(内側)
の少し下で拍動を感じます。
橈骨動脈より、弱く感じます。
下肢の動脈触知
上肢の動脈(橈骨動脈・上腕動脈)が
外傷などで触知出来ない場合は足背動脈
や後脛骨動脈で触診します。
下肢の血行障害などが疑われるときや
血圧測定時に下肢の動脈を触知することが多いです。
乳幼児の動脈触知
乳幼児の場合は、橈骨動脈が触知し難い
場合が多い為、他の測定部位を把握して
おきます。
上腕動脈や総頸動脈、浅側頭動脈、大腿
動脈などが比較的触れやすいようです。
新生児や乳児の場合は、心拍の聴診の方
がより正確に把握できます。
総頸動脈の触知
総頸動脈では脈拍数の測定は通常、しません。
緊急時やショック時等に脈拍の有無や
性状、血圧の大まかな目安を把握する時
に触知する場合が多いです。
脈拍の触知が可能な血圧の数値
緊急時や血圧計がない場合に目安となる
大まかな数値(収縮期血圧)
橈骨動脈が触知出来れば 80mmHg以上はある。
大腿動脈が触知出来れば 70mmHgはある。
総頸動脈が触知出来れば 60mmHgはある。
血圧が60より低い場合は総頸動脈でも触知困難。
続きはこちらです→ 脈拍の測定方法