気管カニューレの種類

 

気管カニューレにはいろいろな種類があります。
大別すると、単管(一重管)、
複管(二重管)、カフなし、カフあり 
のタイプがあります。
さらに、カフの上部に貯留した分泌物等
を吸引する為の管(サイドチューブ等)
が付いたカニューレや、側孔のあるカニューレもあります。
病態や用途に合ったカニューレを選択することになります。
一般的にはカフつきのカニューレが使用
されるケースが多いです。
特に人工呼吸器を装着している場合は
カフつきのカニューレを使用します。

●単管(一重管)
管が一つだけのカニューレ。

●複管(二重管)
内管と外管の2本。
交換の時等は、内管だけを交換します。

●カフ付き
管の先の外側にカフが付いています。
カフに空気を注入して固定します。
エアリークを防ぎ、換気をスムーズに
する役割があります。
膨らんだカフの上部に溜まった分泌物等
が、下気道に流れ込むのを、防ぐ役割も
ありますが、完全に防ぐことはできません。
カニューレの位置のずれを防止したり、
抜管や気管壁の損傷防止の役割もあります。
空気が鼻や口の方にぬけない為(声帯を
通らない)声を出すことが出来ません。

●カフなし
スピーチカニューレ
カフなしで、カニューレに側孔(空気孔)
があり、空気が声帯を通ることが出来る
ため、声を出すことが可能です。
カフがついていないため、誤嚥した物は
気管内に流れ込むことになりますが、
嚥下運動などの負担は軽いです。

レティナカニューレ
カフなしで、スピーチカニューレよりも
短いため、気管壁への刺激が少ない。
穴をボタンなどで閉鎖することで、声を
出すことが可能です。
長期間、切開部位を開口し保持しておく
時に適しています。
痰の少ない方や自力で痰を出せる方に便利です。

カニューレ(カニューラ)とは?
チューブ類の一つ。
カテーテルやカニューレは医療用チューブの総称です。  
医療機関でよく耳にするのが、
気管カニューレ、鼻腔カニューレ等があります。

カニューレは、ドイツ語の発音で Kanule
英語では、Cannula(カニューラ) 

カニューレについての詳細は下記をご参照ください。
カニューレ/カニューラ(当サイト内)

続きはこちらです⇒ 気管カニューレの材質


気管切開 項目一覧




◇参考文献
書籍
「気管吸引のガイドラインを完全準拠 わかる!できる!気管吸引あんしん教育ガイド」
  p13~p14メディカ出版
「介護職員等のための医療的ケア 喀痰吸引・経管栄養等の研修テキスト」
 公益財団法人日本訪問看護財団(編)p68
「気管切開-最新の手技と管理」 改訂第2版

インターーネット
厚生労働省HP内 2.喀痰の吸引 Slide2-47:気管カニューレの種類 p49
www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/kaigosyokuin/
dl/text_03.pdf
喀痰の吸引 Slide2-98:みなさんに吸引していただく部位は p67
www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/kaigosyokuin/
dl/manual_05.pdf