洞性頻脈は、洞結節からの正規の調律
(洞性調律)が、安静時でも100/分
以上発生している状態になります。
徐々に頻脈になり、多くは徐々に正常な
脈拍数に戻ります。
脈拍は規則的で、触診でほぼ正確に数えることが出来ます。
心電図上では洞性P波が確認でき、
QRS波形は正常で規則的です。
基線も正常で水平。
洞性頻脈は精神的興奮や運動、アルコー
ル摂取、発熱などの時に発生することが
多く、基礎疾患がない健康な人でも発生
することがあります。
心不全や甲状腺機能亢進症、貧血、
心原生ショックなどでも起こることがあります。
自覚症状がなく、原因が病的なものでは
ない場合は、治療は必要ありません。
続きはこちらです→ 発作性上室性頻拍(PSVT)について
心臓の刺激伝導系
正常な刺激伝導では、右心房の上大静脈
基部にある洞(房)結節から電気的刺激
が規則正しく発生します。ここから発生
した刺激が、心房から心室へと伝わります。
洞結節が正常に機能している状態を正常洞調律といいます。
洞結節に次いで右心房、少し遅れて左心房が興奮します。
さらに心房と心室の間にある房室結節に
興奮が伝わり、心室中隔にあるヒス束を
通り左脚と右脚に伝わります。
最後にプルキンエ線維によって心室心筋に刺激を与えます。
プルキンエ線維はヒス束から始まり、左脚
右脚にわかれ、枝分かれし、心室の内壁を覆っています。