薬剤による消毒方法:浸漬・塗布や清拭・散布・灌流


薬剤による消毒方法には
浸漬・塗布や清拭・散布・灌流があります。

◆浸漬
消毒するものを適した濃度と時間で浸します。
再利用する医療機器やリネン類等
を消毒する時は適した濃度(有効
濃度)の消毒薬を指定された時間
浸して消毒します。

<例>
ヒビテン液で医療機器を消毒する場合
目だった汚染がない場合
濃度 0.1 % の水溶液
浸漬時間 10 ~ 30分

汚染状態などにより、濃度、浸漬時間
は多少異なります。
目だった汚染がある場合は、より濃度
を高くして、浸漬時間を長くします。
緊急時の場合は、より消毒効果の高い
エタノールで希釈したエタノール溶液
を使用し、浸漬時間を短くします。



◆塗布や清拭
綿球や脱脂綿等に薬剤を浸み込ませて塗布します。
皮膚や粘膜、創傷部位等を消毒する
時は、適した濃度の薬剤を塗布して消毒します。
又、正常な皮膚に触れるか全く触れ
ない医療機器や床、ドア、ベッド、
テーブル、家具類、便器、尿器等の
消毒には清潔なガーゼや布、タオル
などに、適した濃度の消毒薬を浸み
込ませて清拭します。

粘膜や創傷部位を消毒する時は、滅菌
された綿球などを使用します。

用途により適した濃度は多少異なります。


◆散布
清拭や塗布がし難い隙間などを消毒
する時や、マットレスや血圧計の
マンシェットなどを消毒する時に
用いられる消毒方法です。
スプレー式の容器を利用し散布します。

病室内の消毒など広範囲の消毒には推奨されていません。



◆灌流
内視鏡やレスピレーターの回路、
チューブ類など管状になっている
医療機器の内腔を消毒する時は、
消毒薬を灌流させる方法がありま
す。
気泡をつくらないようにします。

消毒する前に内腔をブラシでよく
洗浄しておきます。
専用のチューブ洗浄機もあります。


噴霧による消毒
特殊の場合を除いてはあまり推奨されていません。
公衆衛生上必要な場合などに実施されています。
病室内の噴霧消毒は、人体に害を及
ぼす影響の方が大きいため推奨され
ていません。又、菌を撒き散らして
汚染を広げる危険もあるようです。

散布と噴霧の違いは?
散布はふりかけること。
噴霧は液体を霧状にしてふりかけること。


続きはこちらです→ 消毒薬について 概要

 

 

洗浄・消毒・滅菌 項目一覧

 


◇参考文献
書籍
「クラールビジュアルテキストブック・よくわかる微生物」医学芸術社 p110-p115
「最新医学大辞典」(医歯薬出版株式会社)
「ナースのための感染症対策マニュアル」文化放送ブレーン p14,p15
「ナース必携最新基本手技AtoZ/保存版」小学館 p252-p266

インターネット
医薬品医療器機総合機構HP内
「滅菌法及び無菌操作法PDF」
//www.pmda.go.jp/public/pubcome_200906/file/004-0906.pdf

人工呼吸の安全セミナーテキスト P9-p10
//www.info.pmda.go.jp/anzen_gyoukai/file/jamei01.pdf

厚生労働省HP内 
「医療施設における院内感染(病院感染)の防止について」
//www.mhlw.go.jp/topics/2005/02/tp0202-1a.html
医療施設における院内感染の防止について
//www.mhlw.go.jp/shingi/2006/09/dl/s0906-3d.pdf

ウィキペディア
//ja.wikipedia.org/wiki/滅菌
//ja.wikipedia.org/wiki/消毒
//ja.wikipedia.org/wiki/洗浄