ここでは主に外科的気管切開について
まとめてあります。
●気管を切開することへの不安
気管切開に限らず、体に傷をつけること
への不安感はでてきます。
気管切開時の合併症やその後の管理など
様々な不安材料もあります。
●切開部からの出血や感染のリスクがある
皮膚を切開するため、創部からの出血や
感染のリスクは高まります。
●気管の狭窄や瘻孔、損傷などの合併症のリスクがある
特に重篤な合併症には、気管腕頭動脈瘻
と気管食道瘻があります。
●発声が出来ない
呼吸状態が落ち着いたとしても、自分の
意思表示が思うように伝わらないと、
大きなストレスになります。
気管カニューレの種類等により、発声が
可能なものもありますが、訓練を必要とします
●誤嚥の危険がある
カフつきのカニューレを挿入していても
肺への流入を完全に防ぐことは出来ません。
カフの上部に溜まった分泌物は、カフと
気管壁の隙間を通って肺へ流れていきます。
これをサイレントアスピレーションといいます。
●飲食が困難
気管カニューレを挿入していると、種類
により程度の差はありますが、嚥下が
し難くなります。飲食が可能になる迄は
適切な気管カニューレで、嚥下訓練を
する必要があります。
誤嚥の回数が多い時は見合わせます。
医療者側のデメリット(気管内挿管との比較)
気管内挿管より必要とする医療機器が
多く、より清潔操作が必要なため、準備
や環境整備などに手間がかかります。
サイレントアスピレーションとは?
気管カニューレや気管内チューブを挿入
している方等は、カニューレやチューブ
の外壁に付いているカフの上部に分泌物
などが貯留しています。
カフによって分泌物が肺の方へ流入する
のを防いでいますが、完全に防ぐことは出来ません。
カフのしわや隙間を伝って肺の方へ流入
するリスクは常にあります。
又、気管カニューレや気管内チューブの
交換やカフの空気の入れ替えのときにも
上部に貯留したものが肺の方に流れ込ん
で行くリスクがあります。
このように、知らず知らずのうちに
気管内に異物が入ってしまうことを、
サイレントアスピレーションといいます
続きはこちらです⇒ 気管切開に伴う合併症(術中、早期)