◆フタラール製剤の特徴
揮発性が低い為、気道や眼の粘膜
に対して刺激が小さく浸漬時間が
短いという特徴があります。
グルタラール製剤より、芽胞に対
する効力は弱いようです。
刺激性は低いですが、すすぎが十
分でない場合は、即ち医療機器等
に薬剤が残留したものを粘膜等に
使用した場合は、粘膜を損傷する
リスクがあります。特に超音波
白内障手術器具類や、尿道に挿入
する医療機器などには使用しない
ほうがいいようです。
アナフィラキシーショックなどの
重篤な症例も報告されているよう
です。皮膚や粘膜に触れた場合は
黒色に変色するリスクもある様です。
◆対象となる医療機器など
グルタラール製剤と同じですが
異なる点は、人体内(無菌状態の
部位)に使用する場合は、適切な
滅菌処理が必要になります。
グルタラール製剤の場合は化学的
滅菌が可能ですが、フタラール
製剤の場合は、化学的殺菌・消毒
までが可能です。
芽胞に対する効力がグルタラール製
剤よりやや劣るようです。
ニッケルでメッキされた金属やステ
ンレス鋼では、長期浸漬により、
わずかに変色することもあるようです。
◆用途・目的
汚染された医療機器等の殺菌消毒
◆濃度と浸漬時間
ディスオーパ消毒液 0.55% の
場合は、浸漬時間5分となっています。
芽胞に対しては、5分では十分な
効力は得られないようです。
フタラール製剤:商品名の例
ディスオーパなど
続きはこちらです→ 過酢酸製剤
◇参考文献
書籍
「クラールビジュアルテキストブック・よくわかる微生物」医学芸術社 p110-p115
「最新医学大辞典」(医歯薬出版株式会社)
「ナースのための感染症対策マニュアル」文化放送ブレーン p14,p15
「ナース必携最新基本手技AtoZ/保存版」小学館 p252-p266
インターネット
厚生労働省HP内
「無菌操作法による無菌医薬品の製造に関する指針」の改訂について
//wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T110422I0020.pdf
「医療施設における院内感染(病院感染)の防止について」
//www.mhlw.go.jp/topics/2005/02/tp0202-1a.html
医療施設における院内感染の防止について
www.mhlw.go.jp/shingi/2006/09/dl/s0906-3d.pdf
平成16年度及び平成17年度試行物質リスク評価書 p28~
www.mhlw.go.jp/shingi/2006/09/dl/s0912-6g.pdf
医薬品医療器機総合機構HP内
「滅菌法及び無菌操作法PDF」
www.pmda.go.jp/public/pubcome_200906/file/004-0906.pdf
人工呼吸の安全セミナーテキスト P9-p10
www.info.pmda.go.jp/anzen_gyoukai/file/jamei01.pdf
各商品の添付文書
一般社団法人・日本医療機器学会HP内
医療現場における滅菌保証のガイドライン2010 p96~
www.jsmi.gr.jp/guidelinenew010.pdf
洗浄評価判定ガイドライン
www.jsmi.gr.jp/senjyou.pdf
社団法人・日本感染症学会HP内 洗浄
www.kansensho.or.jp/sisetunai/2008_3_pdf/04.pdf
ウィキーペディア
ja.wikipedia.org/wiki/消毒
ja.wikipedia.org/wiki/消毒薬
ja.wikipedia.org/wiki/滅菌
ja.wikipedia.org/wiki/洗浄
ja.wikipedia.org/wiki/オルトフタルアルデヒド
ja.wikipedia.org/wiki/グルタルアルデヒド
ja.wikipedia.org/wiki/過酢酸