意識レベルについて

 

◆意識レベルの判断基準

意識レベルの判断基準もいくつかあります。
日本で最も利用されている意識レベルの
判断基準は3-3-9度方式 JCS
(Japan Coma Scale)は日本で考えられた
方式で、数字が大きいほど、意識障害が重くなります。

意識清明は「0」で、全体の意識レベルを10段階で評価。 
Ⅰ桁(刺激なしで覚醒)
Ⅰ-1
意識は清明だがはっきりしない。
ぼんやりしている。

Ⅰ-2
見当識障害がある。
日時や場所などが分からない。

Ⅰ-3
名前、生年月日が言えない。

Ⅱ桁(刺激すると覚醒)
Ⅱ-10
普通の呼びかけで、容易に開眼する。

Ⅱ-20
大声、又は体をゆさぶる刺激で開眼する

Ⅱ-30
痛み刺激の継続と呼びかけに対して、
かろうじて開眼する。

Ⅲ桁(刺激しても覚醒しない)
Ⅲ-100
痛み刺激に対して払いのける動作をする

Ⅲ-200
痛み刺激に対して、手を少し動かしたり
顔をしかめる。

Ⅲ-300
痛み刺激に対して反応しない。 

上記に加えて
尿失禁(I)
不穏状態(R)
言動無言状態(A)などがあれば
100-A 200-IR等と表記する。


◆3-3-9度方式 JCS評価

意識レベルⅠ桁1,2,3
上行性網様体賦活系には障害はない。

意識レベルⅡ桁10,20,30
間脳にまで障害。

意識レベルⅢ桁100,200,300

中脳から延髄にわたり障害。


◆その他の判断基準

GCS(Glasgow Coma Scale) 
開眼、言語反応、運動反応3つについて判断。
国際的に用いられる評価方法。

E2CS(Edinburgh2 Coma Scale)
GCSの繁雑さをなくし、判断に要する時間が短い。

Mayo Clinicの分類
4つに分類。
傾眠
刺激を与えると覚醒するが、刺激がなくなると眠ってしまう。

昏迷
刺激に対して、手足をひっこめたり、払いのけようとする。

半昏睡
疼痛刺激に対して、逃避反射 自発運動は殆どない。

昏睡
自発運動は全くない。


◆脳の解剖生理

大脳皮質
 ↓
間脳(視床・視床下部)
 ↓
中脳
 ↓

 ↓
延髄
 ↓
脊髄

中脳、橋、延髄を合わせて脳幹と呼ばれています。
(広義では間脳も含む)


大脳半球皮質
言葉を話す、聞く、見る、創造する、
考える等の人間としての高度な精神活動
に関する働き。

間脳(視床下部・視床)
主な働きは、体温調節、食欲の調節、
下垂体ホルモンの調節、自律神経の調節
睡眠の調節 など。

脳幹部
中脳・橋・延髄(呼吸中枢、血圧の中枢
嚥下中枢)がある。

中脳
動眼神経(第3脳神経)
滑車神経(第4脳神経)が存在。


三叉神経(第5脳神経)
外転神経(第6脳神経) 
顔面神経(第7脳神経)
前庭神経と蝸牛神経(第8脳神経)

延髄
呼吸中枢、血圧の中枢、嚥下中枢がある
舌咽神経(第9脳神経)
迷走神経(第10脳神経)
副神経(第11脳神経)
舌下神経(第12脳神経)

意識を晴明に保っている部分は?
脳幹網様体賦活系と視床下部調節系。
脳幹網様体は感覚神経路からの刺激で、
賦活化される。

感覚神経
求心性神経、知覚神経とも呼ばれる。

末梢からの痛みによる刺激
末梢
↓ 
脊髄

脳 

上行性網様体賦活系
脳幹網様体から大脳皮質の神経細胞へ
刺激を伝える経路。


◆反射について

中脳反射
立ち直り反射
対光反射

延髄反射
嚥下反射
咽頭反射
咳反射

脊髄反射
腱反射
膝蓋腱反射
アキレス腱反射(下腿三頭筋反射)

瞬目反射
角膜反射(中枢は橋)
睫毛反射・眼瞼反射(中枢は橋)

表在反射
角膜反射
咽頭反射
足底反射(バビンスキー反射)

脳幹反射
対光反射
睫毛反射(眼瞼反射)
角膜反射
咽頭反射
咳反射
毛様脊髄反射
眼球頭反射






◇参考文献
書籍〉
医学大辞典(医歯薬出版株式会社)p794 p873 p1008
エキスパートナース「最新基本技術AtoZ(小学館)p41~p49
フィジカルアセスメント ナースに必要な診断の知識と技術第4版(医学書院)p138~p175
 
インターネット
ウィキペディアサイト内
https://ja.wikipedia.org/wiki/意識
https://ja.wikipedia.org/wiki/Japan Coma Scale
https://ja.wikipedia.org/wiki/Glasgow Coma Scale
https://ja.wikipedia.org/wiki/Emergency Coma Scale