心電計と対象者の準備手順1,2,3 例

 

ここでは基本的な実施手順の一例を記載しています。
心電計や電極等の種類等により異なる部分
もありますので、詳細に関しては使用する
製品の取扱説明書などをお読みください。
又、検査する医療機関や人によっても多少
異なる部分もあります。


1:環境整備
不要な電気製品(電気毛布や電気アンカ
エアーマット等)の電源はOFFにして
おきます。
出来れば電源コードをコンセントから
抜いておきます。
OFFに出来ない併用機器や電源コード
が周辺にある場合は遠ざけます。
ベッドは壁から離しておきます。
検査する部屋は寒くないようにしておきます。


2:心電計等の準備と確認
①心電計をベッドサイド(対象者の左側)に置く
胸部誘導では左側に装着するため
心電計と検査する人(記録者)は対象者
の左側に位置した方が操作がしやすくなります。
*右側に心臓がある人は逆。

②心電計の電源コードとアースを接続
心電計の電源コード及びアースを壁に
取り付けてあるコンセントにさしこみます。
3P(ピン)プラグを使用する場合は、
接地(アース)極付コンセント(3Pコン
セント)に接続します。
3Pコンセントがない場合は3P→2P
変換アダプタを接続してからアース端子
付き2Pコンセントにさしこみます。
変換アダプタについている線をアースに
つなぎます。
2Pプラグ(アース付き)を使用する
場合はアース端子付き2Pコンセントに
接続します。

より安全で正確な記録をするには、その
機器に合った電源コードとプラグを使用
し、そのプラグに合ったコンセントに
接続することが大切になります。
3Pコンセントがない場合は、可能であ
ればバッテリー動作で使用することをお勧めします。


③電源を入れる前に各コード類や電極等の確認
心電計のアースコードや電源コードの
接続と確認が済んだら、誘導コードと
心電計の接続、リード線と電極(四肢と
胸部)の接続を確認します。
電源コードや心電計のアースコード、
誘導コード、電極とリード線等を正確に
確実に接続します。
四肢電極とリード線を接続する時は、
対応する同じ色を接続します。
クリップ式の電極はそれぞれ色で識別されています。
(右手は赤、左手は黄、右足は黒、左足は緑)
リード線も接続する部分が色で識別され
ていますので、それぞれ同じ色を接続します。

④記録用紙の確認
記録用紙の残量も確認しておきます。
少ない様であれば準備しておきます。

⑤心電計の電源をON
ありがちなのが電源の入れ忘れ・・・・・です。

⑥操作パネルの設定・確認
名前等を入力します。
*機種などによって入力方法は異なります

標準設定する
標準的な設定は、
感度1= 10mm(1cm)/mV 
記録速度 25mm/秒
記録時に振幅が大きすぎたり小さすぎた
場合は感度を変更します。

インストがONになっているか確認
ONの時は熱ペンは停止状態になり、
解除すると動きます。
記録時は解除します。

誘導選択器の確認
誘導選択器(誘導切替スイッチなど)が
「STD」又は「C」等になっているか
確認します。

較正曲線を確認
較正電圧ボタンなどを押すと較正曲線が描かれます。
このときに、感度や熱ペンの状態、記録
用紙の搬送状態などを確認します。
感度1の場合 1mV が 10mm(1cm) に
描かれているか確認します。

熱ペンの位置や色(濃淡)の調節・確認
心電図の波形が記録紙の中央に記録され
るように、熱ペンの位置を調節します。
波形の色が濃かったり、薄かったりした
場合には調整します。
温度が高いと濃くなり、低いと薄くなります。

機種により記録方法は異なります。
熱ペンによる直記式やサーマルヘッド式が
多く使用されています。


フィルタの確認
フィルタは最初はOFFにしておきます
フィルタをかけないでもきれいな波形が
記録できればONにする必要はありません。
なるべくフィルタをかけない方がより
正確な波形が記録できます。
フィルタの使用は必要最小限に。


3:対象者の準備と確認
対象者の状態を把握しておきます。
自覚症状の有無や検査できる状態か確認
しておきます。
問題がなければ、仰向けになってもらいます。
心電図検査の説明を十分に行い、不安や
緊張を取り除きます。
腕時計やネックレス、ブレスレット等の
金属製品などは外してもらいます。
ストッキングも出来れば脱いでもらった
方がより正確な波形が記録でき、衣類の
汚染なども防げます。
タイツなどのきつくい物は脱いでもらい
ます。
靴下だけの場合は検査時に下げて足首を
露出させます。

排尿は事前にすませてもらいます。
咳や痛みなどを我慢していないか確認します。
検査中は、全身の力を抜いて、軽く目を
閉じて静かに呼吸をしてもらいます。
不要な露出を避けるために、バスタオル
等の掛物を準備しておきます。

続きはこちらです→ 電極を装着する 手順4 例





心電図項目一覧


◇参考文献

書籍
「心電図・ナースのためのワークブック」金芳堂
「ナース必携最新基本手技AtoZ」EXPERT・NURSE 保存版 小学館
「ナース必携・心電図マニュアル」 臨時増刊号 保存版 小学館
「写真でわかる基礎看護技術②」株式会社インターメディカ
「最新医学大辞典」医歯薬出版株式会社

インターネット
ウィキペディア
https://ja.wikipedia.org/wiki/心電図