更新 (2009/12/22)
※前回まとめた内容は古い資料に基づくものが多かった為、今回は新しい資料に基づき大幅に追加・修正しております。
C型肝炎とは?
C型肝炎ウィルスによって引き起こされる肝炎
急性と慢性があります。
感 染 経 路
・輸血や血液製剤による感染
・汚染された血液(C型肝炎ウィルスの存在する血液)の付着している物からの感染
例: 注射器、鍼治療、刺青、医療事故など
一つの注射器で何人もの人に注射する場合など。
(日本では昭和40年代の中ごろまで行われていました)
医療事故の場合は、汚染された注射針を誤って刺すことなどです。
麻薬中毒者での感染
透析患者での感染
・母子感染
確率は低い
新生児への感染の確率は数%?
感染した赤ちゃんの約半数が自然にウィルスが体外へ排除され消滅。
☆書籍やインターネットでいろいろ調べてみましたが、感染の確率の数値については
まちまちで、一時的な陽性が6〜12% 持続的な陽性が2%〜10%
と報告されている文献もあります。
分娩時に感染するリスクがあるようです。
これを避けるには、帝王切開での分娩という選択肢があります。
※母乳からの感染のリスクについて
殆ど心配はない様です。
乳首などに傷などで出血がなければ、ほぼ心配はないようです。
いろいろ調べてみましたが、これに関してはどの文献でもほぼ
同じようなことが記されていました。
※母子感染についての参考文献
厚生労働省HP内 ⇒ C型肝炎について・一般的なQ&A(平成20年4月改訂)・PDF
・性行為感染
確率はかなり低い
傷などで出血がなければほぼ心配はないようです。
C型肝炎ウィルスの検査方法
☆C型肝炎ウィルスの感染の診断には複数の検査をもとに、総合的に判断されます。
C型肝炎ウィルスの存在を確認するための主な検査には、
HCV抗体検査(抗体の有無と抗体価) HCVコア抗原検査
核酸増幅検査(NAT) があります。
◆HCV関連の主な検査項目
HCV抗体検査(抗体の有無と抗体価)
HCVコア抗原検査
HCVの核酸増幅検査(NAT)HCV−RNA検査
HCVジェノタイプ検査
検査手順の概要
ウィルスの存在は血液検査でわかります。
血中のウィルスの存在や量、タイプなどを調べます。
まず抗体を調べて陰性か陽性か判断します。
陽性の場合はさらに、HCVの遺伝子や感度の高い検査をします。
持続感染者(キャリア)と判定された場合は、さらに
C型慢性肝炎に罹っているかどうかの判定が必要になります。
肝機能検査や超音波検査などで総合的に判断されます。
C型慢性肝炎と診断された場合は治療方針が検討されます。
その際インターフェロンの治療が有効と判断されれば、
HCVの量と遺伝子の型を調べます。
各検査項目の特徴を以下にまとめてみました。
HCV抗体検査(抗体の有無と抗体価)
≪HCV抗体の有無≫
C型肝炎ウイルスに関する抗体には様々な種類があります。
HCV抗体とは全ての抗体の総称です。
陽性の場合は、現在HCVを保持している持続感染の場合(キャリア)と、
過去に感染して現在は治癒している場合(感染既往)の二つが考えられます。
○判定基準
陽性か陰性か
基準値未満だと陰性
☆検査方法などにより基準値は異なります。
○HCV抗体検査の種類
古い順に、第一世代、第二世代、第三世代 の検査方法があります。
上記の違いは、検査の対象となる抗体の種類、検出できる抗体の数、
検査方法や感度などの違いがあります。
一般的に第三世代の方が感度が高いとされます。
スクリーニング検査としては、第二世代や第三世代の検査が広く実施されています。
≪HCV抗体価≫
一般的に持続感染(キャリア)の場合は抗体価が高いとされます(高力価)
高力価の場合は、98%にHCV−RNA(遺伝子)が検出されているため、
C型肝炎ウィルス持続感染者であると判定されています。
○判定基準
高力価、中力価、低力価
高力価の場合はキャリアの可能生が高い。
※まれに中力価、低力価の人の場合でも持続感染の人が存在する。
☆検査方法などにより基準値は異なります。
HCVコア抗原検査
検査の特徴としては、直接ウィルスの存在や量を調べることが出来、
検査にかかるコストが低いこと、NAT(下記に説明)に比べて、
簡単で手間がかからないこと などです。
感度などの向上もあり幅広く実施されてきています。
HCVの核酸増幅検査(NAT)HCV−RNA検査
微量のHCV遺伝子(HCV−RNA)を検出できる高感度の検査です。
抗体価が低い人でもキャリアか既往感染者かの区別が出来るようになりました。
又極初期の感染でも判定が出来るようになり、
輸血時の安全性の向上にも役立っています。
HCV−RNAの量も測定できるため、インターフェロンなどの治療法の
評価や経過観察などにも役立てられています。
基準値を超える場合
現在キャリア
ウィルスが体内に存在することを意味します。
キャリアであれば肝炎に罹っているかどうか調べます。
さらに肝機能検査や超音波検査などが必要になります。
基準値未満の場合
感染既往者 治療の必要はありません。
☆検査方法などにより基準値は異なります。
HCV−ジェノタイプ
目的
・ 抗ウィルス療法の治療方針(量や回数など)の決定。
※抗ウィルス療法とは、インターフェロン(単独)療法と
インターフェロンと内服薬(リバビリン)の併用療法
・ 感染経路や感染源の推定。
・ 抗ウィルス療法の治療効果の判定 など
遺伝子型(ジェノタイプ)の種類
ウィルスの遺伝子の型を調べます。
型(タイプ)によって治療薬の量や回数が決定されます。
6種類のタイプがあります。
1a 1b 2a 2b 3a 3b
C型慢性肝炎の検査
HCVに持続感染している場合は、肝機能検査や超音波検査などで
肝炎の有無を調べます。
◆主な肝機能検査
GOT(AST)
GPT(ALT)
ZTT
TTT
◆超音波やCT検査
・肝臓の大きさや形から肝臓の萎縮などを調べます。
肝臓が萎縮(硬くなる)し始めると肝臓の縁が徐々に不明瞭になります。
・肝臓内に腫瘍などがないか調べます。
肝臓に癌がないかどうか定期的に検査することにより、早期に発見できます。
・脾臓の大きさを調べます。
肝臓が硬くなると脾臓が肥大します。
※C型慢性肝炎の場合は、肝硬変や肝臓がんになる確率が高いため
定期的な血液検査や超音波などの検査はとても大切になります。
◆胃カメラ(食道静脈瘤の有無)
肝臓が硬くなると食道静脈瘤が出来やすいため定期的に検査します。
C型慢性肝炎の治療方法 勉強中です。
C型肝炎ウィルスに対する治療方法
抗ウィルス療法
HCVを駆除する治療方法
インターフェロン(単独)療法と、
インターフェロンと内服薬(リバビリン)との併用療法 があります。
※保険適用
※期限付きで国からの補助もあります(申請が必要)
ウイルス除去療法(ブイラッド・VRAD)
医療機器を通して血中のウィルスを除去する方法です。
インターフェロン療法と併用
※2008年の4月から保険が適用されました。
慢性肝炎に対する治療方法
C型肝炎に関する用語集 現在作成中です
HCV = C型肝炎ウィルス
HCV-RNA = C型肝炎ウィルス核酸(遺伝子)
キャリア = C型肝炎ウィルスの保持者(持続感染者)
持続感染 = 現在でもウィルスを保持し続けている
GPT(ALT) =
私ごと
私自身も2008年の7月にC型慢性肝炎と診断され
インターフェロンの治療を勧められました。
ウィルスの量が多く効き難いタイプ(Tb)でしたので、
インターフェロンと内服薬(リバビリン)との併用療法を受けました。
ペグイントロンと内服薬(レベトール)との併用を約4ヵ月間続けました。
ペグイントロンを48回受ける予定でしたが、17回で中止しました。
治療で持病が悪化して間質性肺炎の数値が高くなりました。
今後もインターフェロンの治療はしないほうがいいといわれて、
半年に1回の定期検査で経過観察中です。
そのうちに有効な治療法が開発されるかもしれないので、
期待して待っています。
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採血に関する用語集 |
採血について(用語集付き) |
注射と点滴に関する用語集 |
注射と点滴について(用語集付き) |
看護師がおかし易いミスとその対処方法
注射によるインシデント |
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少しずつ追加しています。
又、見直しもしておりますので、気がついた時点で、書き直し、修正、追記しております。
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◇参考文献
(書籍)
「ナース必携C型肝炎看護マニュアル」 小学館
「わかりやすい病態生理 代表的疾患の病態生理学的知識」 小学館
「今日の臨床検査95〜96」南江堂
「医学大辞典」 医歯薬出版株式会社
(インターネット)
「厚生労働省HP内」
C型肝炎について・一般的なQ&A(平成20年4月改訂)・PDF
「ウィキペディア」
開設日: 2009/07
更新日: 2009/10/01 2009/12/22
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