各低水準消毒薬の説明


低水準消毒薬の種類には
塩化ベンザルコニウム製剤、
塩化ベンゼトニウム製剤、
クロルヘキシジングルコン酸塩製剤
アルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩製剤(両性界面活性剤)
等があります。

◆塩化ベンザルコニウム製剤
<微生物に対する効果>
芽胞を除く細菌、真菌類に有効。
芽胞、結核菌、ウィルスには効果は期待できない。

アルコールなど他の薬剤が添加されている消毒薬の場合は結核菌やウィルス
に有効な商品もあります。


<用途>
用途は幅広い。
手指、皮膚、粘膜、創傷、膣洗浄、医療機器、環境の清潔(病室、手術
室、家具類、ベッドなど)など

ゴム類、プラスチック類、光学機器等は避ける。
金属類を浸す場合は腐食防止のために亜硝酸ナトリウムを添加。
革製品にはむかない。


<注意することなど>
商品によっては他の薬剤が添加されている消毒薬もあるため、用途には
注意してください。特にアルコールが含まれているものは、粘膜や創傷
には使用しません。

それぞれ用途により薬剤の濃度は異なります。
通常は人体に使用される濃度は低くなります。
粘膜に使用される濃度が一番低くなります。
脱脂綿、ガーゼ等に吸着される為、浸漬するときは、濃度が低下しない
ように注意します。


◆塩化ベンゼトニウム製剤
塩化ベンザルコニウム製剤と塩化ベンゼトニウム製剤の効力や用途等は
ほぼ同じです。

<微生物に対する効果>
芽胞を除く細菌、真菌類に有効。
芽胞、結核菌、ウィルスには効果は期待できない。

アルコールなど他の薬剤が添加されている消毒薬の場合は結核菌やウィルス
に有効な商品もあります。


<用途>
用途は幅広い。
手指、皮膚、粘膜、創傷、膣洗浄、医療器機、環境の清潔(病室、手術
室、家具類、ベッドなど)など

ゴム類、プラスチック類、光学機器などは避ける。
金属類を浸す場合は腐食防止のために亜硝酸ナトリウムを添加。
革製品にはむかない。


<注意することなど>
脱脂綿、ガーゼ等に吸着される為、浸漬するときは、濃度が低下しない
ように注意します。


◆クロルヘキシジングルコン酸塩製剤
<微生物に対する効果>
胞を除く細菌、真菌類に有効。
特にグラム陽性菌には低濃度でも速やかに殺菌効果を示す。
真菌類の殺菌力は細菌より弱い。
芽胞、結核菌、ウィルスには効果は期待できない。

溶液にアルコールが使用されている消毒薬の場合は、結核菌にも有効。


<用途>
手指、皮膚、創傷、医療機器、環境の清潔(病室、手術室、家具類、
ベッドなど) など
*粘膜には使用しない。

<注意することなど>
ショック症状を引き起こす例が報告されています。
既往の確認と使用中はショック症状に注意します。
脱脂綿、ガーゼ等に吸着される為、浸漬するときは、濃度が低下しない
ように注意します。


◆アルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩製剤(両性界面活性剤)
<微生物に対する効果>
芽胞を除く細菌、結核菌、真菌に有効。
芽胞、ウィルスには効果は期待できない。
*濃度により効力は異なります。

<用途>
手指、皮膚、粘膜、医療機器、環境の清潔(病室、手術室、家具類、
ベッドなど)など

金属類を浸す場合は、腐食防止のために亜硝酸ナトリウムを添加。
銅製の器材は適さない。


<注意することなど>
脱脂綿、ガーゼ等に吸着される為、浸漬するときは、濃度が低下しない
ように注意します。

 

塩化ベンザルコニウム製剤 商品名例
オスバン
ヂアミトール
ザルコニン液
ウエルパス など。

上記の中でウエルパスは、アルコールも含有されている為、消毒効果はより
高くなります。



塩化ベンゼトニウム製剤 商品名例
ハイアミン液
ベゼトン液
エンゼトニン など

クロルヘキシジングルコン酸塩製剤 商品名例
ヒビテン液
マスキン液
クロルヘキシジン液
グルコン酸クロルヘキシジン液
など

アルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩製剤 商品名例
テゴー51
両性石ケン液
サテニジン液
など


次の項目はこちらです→ 取り扱い時に注意することなど



 

 

洗浄・消毒・滅菌 項目一覧

 


◇参考文献
書籍
「クラールビジュアルテキストブック・よくわかる微生物」医学芸術社 p110-p115
「最新医学大辞典」(医歯薬出版株式会社)
「ナースのための感染症対策マニュアル」文化放送ブレーン p14,p15
「ナース必携最新基本手技AtoZ/保存版」小学館 p252-p266

インターネット
「無菌操作法による無菌医薬品の製造に関する指針」の改訂について
//wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T110422I0020.pdf
「医療施設における院内感染(病院感染)の防止について」
www.mhlw.go.jp/topics/2005/02/tp0202-1a.html
医療施設における院内感染の防止について
www.mhlw.go.jp/shingi/2006/09/dl/s0906-3d.pdf
平成16年度及び平成17年度試行物質リスク評価書 p28~
www.mhlw.go.jp/shingi/2006/09/dl/s0912-6g.pdf

医薬品医療器機総合機構HP内
「滅菌法及び無菌操作法PDF」
www.pmda.go.jp/public/pubcome_200906/file/004-0906.pdf

人工呼吸の安全セミナーテキスト P9-p10
www.info.pmda.go.jp/anzen_gyoukai/file/jamei01.pdf

各商品の添付文書

一般社団法人・日本医療機器学会HP内
医療現場における滅菌保証のガイドライン2010 p96~
www.jsmi.gr.jp/guidelinenew010.pdf
洗浄評価判定ガイドライン
www.jsmi.gr.jp/senjyou.pdf

社団法人・日本感染症学会HP内 洗浄
www.kansensho.or.jp/sisetunai/2008_3_pdf/04.pdf

ウィキーペディア
//ja.wikipedia.org/wiki/消毒
//ja.wikipedia.org/wiki/消毒薬
//ja.wikipedia.org/wiki/滅菌
//ja.wikipedia.org/wiki/洗浄
//ja.wikipedia.org/wiki/塩化ベンザルコニウム
//ja.wikipedia.org/wiki/塩化ベンゼトニウム
//ja.wikipedia.org/wiki/クロルヘキシジン
//ja.wikipedia.org/wiki/両性界面活性剤