◆胸部誘導について
胸部誘導は単極誘導なります。
不関電極が必要な為、単極肢誘導で構築
された結合電極(基準電極)を利用します。
胸部の6ヶ所から誘導します。
◆胸部誘導の心臓部位
V1 右心室
V2 右心室と左心室前壁
V3 心室中隔と左心室左心室前壁
V4 心室中隔と左心室左心室前壁
V5 左心室前壁と左心室側壁
V6 左心室側壁
◆電極の装着部位
V1:第4肋間胸骨右縁
V2:第4肋間胸骨左縁
V3:V2とV4の中間点
V4:左第5肋間で左鎖骨中線
V5:V4の高さで左前腋窩線上
V6:V4の高さで左中腋窩線上
◆胸部誘導の電極
結合電極(不関電極)は全てマイナス
な為、V1~V6の電極は全てプラスに
なります。
◆胸部誘導の波形の振れ
全て上向きの振れ
V1の場合のP波は二相性に振れます。
P波の前の部分が上向きで、後の部分が
下向きに振れます。
最初は電極の方に向かって見えますが
その後遠ざかって行くように見えるためです。
心臓の大きさ、傾き、位置などは個人に
よって異なります。
電気軸等の違いで波形の大きさや、フレの
向きは異なってきます。
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関電極と不関電極について
双極誘導(標準肢誘導)は二つの電極間
の電位差が記録されますが、単極誘導の
場合は、取り付けた誘導電極の部位の
電位変化が記録されます。
単極誘導では一方の電極をなるべく電位
変化のないところ置けば、誘導する電極
部位の電位の変化を知ることが出来ます
電位変化のないところ(心筋の興奮の影
響を受けにくいところ)に置かれた電極
を不関電極といいます。
これに対して体に取り付けた誘導電極は
心筋の興奮の影響を受けやすい為、関電
極と呼ばれています。
不関電極の電位はゼロに近く、この部分
を基準電極として関電極の電位を記録します。
四肢誘導で構築されたウィルソンの結合
電極(基準電極・中心電極)を不関電極
(負電極)としています。
結合電極は、左手、右手、左足の電極を
それぞれ5KΩ?以上の抵抗を介して
一つに結合させた電極になります。
この部分の電位はゼロに近くなります。
単極誘導も双極誘導と同様に、二つの電極
間の電位差になりますが、双極誘導と異な
るのは、一方の電極(不関電極)の電位が
ゼロに近く、心電計の中で構成され、直接
確認できないところです。
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