脈拍とは?

 

◆脈拍とは?

脈拍とは、心臓の拍動に伴って末梢の
動脈に圧の波が伝わっていくこと。
左心室が収縮すると血液が大動脈を通っ
て全身へ送り出されます。
この時の圧が大動脈に伝わりさらに全身
の末梢動脈へと伝わります。
心臓の拍動を心拍、動脈の拍動を脈拍といいます。
体の表面から触れることが出来る動脈の
拍動を一般的に脈拍と呼んでいます。

◆脈拍のメカニズム

一心拍ごとに、血液が全身の動脈に送り出されます。
送り出される時に各動脈の壁が伸展し、
血管の内腔は最大になります。
この時に脈を触れることが出来ます。
心臓が拍動するごとに、動脈の拍動を
体の表面から触れることが出来ます。
心機能などに異常が無ければ、心拍数と
脈拍数は同じになります。

◆脈拍を知る意味

バイタルサインの中でも重要な所見の一つです。
脈拍は心臓や血管、血液、神経系、代謝
系などの状態を知る上で欠かせない観察項目です。

体の表面から触れることが出来る主な動脈の拍動部位
橈骨(とうこつ)動脈、上腕動脈、
頸動脈、大腿動脈、
膝窩(しつか・しっか)動脈、
後脛骨動脈、足背動脈等があります。

心臓の拍動について
心臓は自発的な電気的刺激により収縮します。
右心房にある洞結節から電気的興奮が
はじまり、心室のプルキンエ繊維へ広がり、心室が収縮します。
心臓が周期的に収縮と拡張を繰り返し、
動脈血を全身に送り出すことを心臓の拍動といいます。

脈拍と自律神経
心臓は自律神経によって調整されています。
交感神経が優位になると、心拍数(脈拍
数)が増加し、副交感神経が優位になる
と、心拍数(脈拍数)が減少します。

血液循環
右心房→右心室→肺動脈(静脈血)
→肺の毛細血管(ガス交換)
→肺静脈(動脈血)→左心房→左心室
→大動脈→全身の動脈→毛細血管
(ガス交換)→静脈→上下大静脈
→右心室

脈波について
脈波は心臓の拍動に伴って大動脈から
末梢動脈へ伝わっていきます。
動脈内の圧や血液の容量が変化します。
圧による変化として表れる波を圧脈波、
血液の容積の変化に伴って表れる波を
容積脈波といいます。
心臓疾患や末梢動脈疾患(PAD)など
の診断に用いられます。
一般的に使用されているパルスオキシメ
ーターは、指尖容積脈波になります。

続きはこちらです→ 脈拍からわかるこ


脈拍 項目一覧




◇参考文献
書籍
「人体生理学ノート」金芳堂 1982年 p86~p88
「わかって身につくバイタルサイン」学研 2013年 p40~p62 
「フィジカルアセスメント ナースに必要な診断の知識と技術」第4版 医学書院 2007 p27~p30 p82
「ナース必携最新基本手技AtoZ」EXPERT・NURSE 保存版 小学館 1994 p27~
「心電図・ナースのためのワークブック」金芳堂 1985 p66~
「新・検査マニュアル」小学館 1993  p28~
「ゼロからわかる救急・急変看護」成美堂出版 2013年 p102~
「介護職員等のための医療的ケア 喀痰吸引・経管栄養等の研修テキスト」p50 p51
「ナース必携心電図マニュアル」小学館 
「最新医学大辞典」医歯薬出版株式会社 p1223 p1387 p685

インターネット
ウィキペディアHP
http://ja.wikipedia.org/wiki/拍動
http://ja.wikipedia.org/wiki/パルスオキシメーター
http://ja.wikipedia.org/wiki/心拍数
http://ja.wikipedia.org/wiki/不整脈
http://ja.wikipedia.org/wiki/期外収縮
http://ja.wikipedia.org/wiki/頻脈
http://ja.wikipedia.org/wiki/徐脈
http://ja.wikipedia.org/wiki/心房細動
http://ja.wikipedia.org/wiki/房室ブロック