◆心電図(ECG)とは?
循環器の外来などで、動悸がする、脈が
とぶ、胸が痛いなどの症状を訴えた場合
最初に実施される検査です。
患者さんには痛みなどの苦痛がないため
定期健康診断などの項目にも入っています。
心臓は毎分60~100回の収縮と拡張
を絶えず繰り返し、全身に血液を送り出
しています。
心臓の筋肉(心筋)は電気的刺激により
興奮し収縮しています。
正常な刺激伝導では、右心房の上大静脈
基部にある洞(房)結節から電気的刺激
が規則正しく発生しています。ここから
発生した刺激が心房から心室へと伝わります。
電気的刺激を受けた心筋が興奮する時に
弱い電気が発生します。心筋の興奮で
発生した電気の流れを、目に見える形で
記録したものが心電図です。
電気の流れ(活動電位)は体中や体表面
などいろいろな部位に分布しています。
通常、体表面から活動電位を記録した
ものを心電図といいます。
◆心電図でわかること
心電図でわかることは、心拍数、リズム
波形、電気軸、心臓長軸の回転などがわかります。
上記の所見を総合的に判断し、心筋梗塞
や狭心症等の心筋異常や、不整脈、
電解質異常、薬剤の効果や副作用などの
判定や診断等に利用されています。
◆心電図検査の方法
心電図を記録する一般的な方法には、
12誘導心電図があります。
四肢誘導と胸部誘導の両方で12誘導になります。
四肢誘導は標準肢誘導3つ、単極肢誘導
3つの計6誘導あります。
胸部誘導は6つあります。
12誘導以外にもモニター心電図、
ホルター心電図などがあります。
◆心電図の記録用紙
一般的に実施されている12誘導心電図
の記録用紙は、方眼紙の様に目盛がついています。
太い線で囲まれた正方形の部分はさらに
細い線で区切られています。
一番小さいマス目は1mm×1mm
太い線で囲まれたマス目は5mm×5mm
◆記録する速さと感度
記録用紙の標準的なスピードは、
1秒間に25㎜です。
横の目盛が時間を表しており、
一番小さい目盛 1mm は 0.04秒になります。
縦の目盛は電圧を表しており、
一番小さい目盛 1mm は 0.1mVになります。
電位の大きさ(上下方向のフレ)は、
1mV=10mm が標準になっています。
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