◆心電計とは?
心臓から発生する電気を体表面から記録
する機器が心電計です。
体表面、例えば右手と左手につけた電極
に心筋からの極微弱な電位(単位はmV)
が伝わります。
伝わった電位は心電計で増幅され、波形
として記録されます。
体表面に取り付けた9ヶ所(アースを入れ
ると10ヶ所)の電極からの活動電位を、
心電計に内蔵されている増幅器や雑音
フィルター等で処理を行い、記録用紙に
波形を記録する心電計が12誘導心電計です。
他にも、モニター心電計やテープ心電計
(ホルダー心電計・携帯型心電計)等があります。
心臓から発生する電気は弱い為、心電計に
内蔵された増幅器で増幅され波形として
記録されます。
通常は1mV=10mm が標準感度になって
いますが、フレが小さかったり大きかった
りした場合は、調節することが出来ます。
◆心電計等の構成
心電計には増幅器と雑音フィルタ、記録
器などが内蔵されています。
記録器は熱ペンによる直記式が多く使用
されています。
感熱記録紙に記録されます。
心電図の計測には、心電計本体と本体に
接続するとリード線(誘導コード)、
リード線に接続する電極が必要になります。
四肢誘導に使用される電極はクリップ式
(はさみ電極)、胸部誘導に使用される
電極は、吸着電極が多く使用されています。
ディスポの製品もあります。
他にも、皮膚との抵抗を小さくする為に
皮膚と電極との間に、食塩水や重曹水に
浸したガーゼやスポンジ、又はペースト
(ゲルやクリームなど)等が使用されます。
電気の通りをよくして、より綺麗な波形
が記録できる様になります。
◆電極について
電極には識別記号とカラーコードがあります。
リード線の先の部分(電極に差し込む部
分)の色で識別します。
12誘導に使用される電極は12個あり、
それぞれ色で識別されています。
四肢誘導のリード線はコード自体も色分けされています。
●四肢誘導
四肢誘導に使用される電極は全部で4つです。
識別記号 R、L、F、RF又はN
R 赤 右手
L 黄 左手
F 緑 左足
RF又はN 黒 右足
RF又はNは、誘導には関与しませんが
アースの役割があります。
Nは中性の意味。
●胸部誘導
胸部誘導に使用されている電極は全部で6個です。
★識別記号と部位
C1 赤 V1
第四肋間 胸骨右縁
C2 黄 V2
第四肋間 胸骨左縁
C3 緑 V3
V2とV4の中間
C4 茶 V4
第五肋間と左鎖骨中線
C5 黒 V5
左側前腋窩線上のV4と同じ高さ
C6 紫 V6
左側中腋窩線上のV4と同じ高さ
電極に使用するディスポ製品
電極に取り付けるパッドや貼付する
タイプの電極などがあります。
胸部誘導の場合は、出血傾向の方や皮膚
の弱い方等に取り付ける電極は吸着電極
より貼付用の電極の方が適しています。
雑音フィルタ
雑音フィルタには、ハムフィルタ、
筋電図フィルタ、ドリフトフィルタ、
ハイカットフィルタ(ローパスフィルタ)
などがあります。
筋電フィルタとハイカットフィルタは
同じ様な機能になります。
心電計の機種により装備されている
フィルタの種類は異なりますが、
ハムフィルタは殆どの機種に装備されています。
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