気管の解剖生理


◆気管とは?

喉頭に続く空気の通り道で、左右の肺に
分岐するまでの太い一本の管を気管といいます。

◆気管の解剖

食道の前方に位置しています。
長さは約10cm、直径は約2cm。
第4~6胸椎の高さで、左右の気管支に分かれます。
気管の外側は馬蹄形(U字、C字形)の
軟骨(気管軟骨)が縦に連なって、気管
がつぶれないように支えています。
他にも、甲状軟骨、輪状軟骨、輪状靭帯
平滑筋などで支えられています。

気管の内壁は、粘液を分泌する粘膜で覆われていいます。
気管粘膜の表面には線毛細胞(線毛を有
する上皮細胞)が存在しています。

◆気管周辺の大まかな解剖

上から、舌骨、甲状軟骨、輪状軟骨、
気管軟骨(約20個)、胸骨上部。
第5胸椎のあたりの高さで、左右の肺に
分岐(左右の主気管支)。
気管の前方に甲状腺、気管の後方には
食道が位置しています。

◆気管の主な役割

鼻腔又は口腔から入ってきた空気を、
肺に送るためのパイプの役割をしています。
気管内の線毛上皮細胞の働きで、粘液で
からめとった埃や塵、細菌、アレルゲン
ウィルスなどの異物を、気道の上部まで移動させます。
粘液の働きで気管内の乾燥を防ぎ、入っ
てきた空気に適度な湿気や温度を与え
気管支などの気道粘膜を保護します。

甲状軟骨について
甲状軟骨は、喉頭を支える大きな軟骨。
喉頭の前面と両側面を覆う。
甲状軟骨の突起部を喉頭隆起(のどぼとけ)。
甲状軟骨の内側に声門がある。

輪状軟骨について
輪状軟骨は甲状軟骨の下方にあり、喉頭
の下部を覆う喉頭軟骨。
甲状軟骨と輪状軟骨の間に輪状甲状間膜がある。

気管軟骨について
気管軟骨(輪)は輪状軟骨の下方に
約20個あり、馬蹄形で、気管の前面と
両側面を覆っている。
輪状靱帯で軟骨と軟骨の間を結んでいる

気管切開する部位は、第2~4気管軟骨。
緊急時には甲状軟骨と輪状軟骨の間を穿刺
又は切開(喉頭切開)する場合もあります

続きはこちらです⇒ 気管切開について


気管切開 項目一覧



参考文献 
書籍
「最新医学大辞典」p839 p279
「家庭医学大百科」 p322~p323
「ナースに必要な診断の知識と技術:フィジカルアセスメント」p49
「続まんがで見る手術と処置」p36
「イラスト救急処置マニュアル」p2,p3 
「最新基本手技AtoZ」p62

インターネット
ウィキーペディアHP内
ja.wikipedia.org/wiki/呼吸器
ja.wikipedia.org/wiki/気管
ja.wikipedia.org/wiki/軟骨
ja.wikipedia.org/wiki/喉頭隆起