痰の観察でわかることは、痰の量、性状
色、臭いなどがあります。
●痰の量
正常な痰の量
(主に気管支からの分泌量)
1日の量が100ml前後~200ml前後
約100mlと記載された文献が多かったです。
痰は水分を多く含んでおり、通常は気道
壁から吸収されたり、蒸発したり、唾液
とともに嚥下したりしている為、口から
喀出されることは殆どありません。
●痰の性状
さらさら・ねばねば・どろどろ・泡状等
痰の性質にもいろいろあります。
粘液性痰
粘り気がある痰
漿液性痰
粘り気があまりないサラサラな痰
水っぽい(水様性)痰
膿性痰
膿のような痰
血性痰
血液の混ざった痰
鮮紅色の痰
錆色の痰
血線や血点が認められる痰、
茶色の痰
いちごゼリーの様な痰 など
泡沫性痰
泡を多く含んだ痰
粘液膿性痰
粘り気のある痰に膿の様な痰が加わった痰
三層痰
漿液・粘液・膿性の三つの層に分離された痰
●痰の色
痰に含まれている成分により色も変化します。
風邪などをひいて、痰の量が多くなると
少し黄色(白黄色)くなります。
これは感染により白血球が、菌を攻撃
しようとし、その残骸が痰に混ざること
により黄色(淡黄色)くなります。
血液が混入している場合は錆色、鮮紅色
暗赤色、茶色など、同じ血液でも出血の
部位や量などで色も変化していきます。
病変の位置を示す指標にもなります。
●痰の臭気
組織の崩壊が強い場合は腐敗臭を呈する
こともあります。
続きはこちらです→ 痰の量
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上気道と下気道
上気道は、口、鼻、咽頭、喉頭までの部分。
下気道は、気管、気管支、細気管支、
肺胞までの部分。
気管、気管支、細気管支の異物等
気管支や気管内に異物(埃や細菌、ウィ
ルス等)や痰等の不要な物が存在してい
る場合は、線毛運動によりそれらを気道
の上部へ移動させる働きがあります。
異物が小さい場合(細菌やウィルス等)
は粘液により異物をからめとって、粘液
ごと移動させます。
咳嗽反射も異物や痰などを排出する為の
重要な働きを担っています。
肺胞内の異物など
肺胞内の場合は、肺胞マクロファージ
(白血球の一つ)の働きで異物を取り込
みます。
異物をとりこんだマクロファージは自身
の運動で気管支末端まで移動し、その後
線毛運動により気道の上部に移動します
鼻汁について
鼻水のこと。
鼻腔内の鼻腺、杯細胞(さかずきさいぼう)
等から分泌される粘液。
血管からの浸出液も含まれている場合も
あります。又、埃や塵、細菌、アレルゲ
ン、ウィルス、血液成分、細胞成分等が
含まれている場合もあります。
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開設日:2017/09/10