◆血液分離剤とは?
血液検査の時に必要とされる検体には、
血清、血漿、全血があります。
分離剤は血清と血漿を保管、検査する時に役立ちます。
保管する時は血清や血漿の移し替えを
することなく、採血管のまま保管できま
す。又検査するときの移し替えも容易に出来ます。
分離剤は白色透明のゲル状になって、
あらかじめ採血管内に入っています。
◆血清分離剤
血清を検査する時は、多くは血清分離剤
入りの採血管を使用しています。
採血した血液を、血清と血餅に分離させ
る役割があります。
遠心分離すると、分離剤の下には比重の
重い血餅が、分離剤の上には比重の軽い
血清に完全に分かれます。
より正確な検査データを得ることが出来ます。
他の容器に移し替えなくても、そのまま
保管することが出来るため、手間も省けます。
分離剤が入っていないものは移し替えが
必要です。
血清分離剤と共に、血液の凝固を早める
血液凝固促進剤が入っている採血管を
使用するケースが多いです。
凝固促進剤が入っている場合は数回転倒
混和してから、しばらく放置しておきます。
凝固するまでの時間が早くなります。
血液の凝固を確認してから遠心分離します。
分離剤が入っていても移し替えが必要な検査項目もあります。
分離剤が検査に影響を与える場合は使用しません。
例えば薬物検査などでは、分離剤に吸着
する薬物もあり、 正確なデータが得られ
なくなります。その際は、何も入ってな
い採血管(プレーン管)を使用するか、
血液凝固促進剤だけ入っている採血管を使用します。
◆血漿分離剤
血漿を分離する場合は、たいていは抗凝
固剤入りの採血管を使用します。
分離剤も入っている場合は、遠心分離後
分離剤の下には比重の重い血球が、分離
剤の上には、比重の軽い血漿に完全に分かれます。
血清は血液が凝固してから遠心分離しま
すが、血漿の場合は凝固させる必要が
ないため早く検査できます。
分離剤には、アクリル樹脂ゲル、ポリエス
テルゲルなどがあります。
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全血とは?
全ての成分が含まれている血液のことです。
抗凝固剤入りの容器を使用します。
血漿とは?
血球を除いた、上澄み液。
フィブリノーゲンやその他の凝固因子が
含まれています。
抗凝固剤入りの容器を使用します。
十分に転倒混和した後に遠心分離し、
血漿と血球に分離します。
血清とは?
血球とフィブリノーゲンやその他の凝固
因子を除いた上澄み液。
血液を何も入ってない容器に入れて放置
しておくと、自然に固まり、血清と血餅
に分かれます。
血清と血餅を完全に分離するためには、
しばらく放置し凝固させた後に遠心分離します。
血球は細胞成分のことで、赤血球、白血球
血小板があります。
血餅は血球とフィブリンなどの凝固因子から成ります。
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血液検査 項目一覧
- 血液検査 概要
- 血清・血漿・全血について
- 採血管内の薬剤について
- 検査項目と採血量等
- 血液分離剤について
- 血液凝固促進剤について
- 抗凝固剤について
- EDTAの特徴と主な検査項目
- クエン酸ナトリウムの特徴と主な検査項目
- フッ化ナトリウムの特徴と主な検査項目
- ヘパリンの特徴と主な検査項目
- 血液型検査
- 血液培養検査
- 血液ガス分析
◇参考文献
書籍
書籍
今日の臨床検査(南江堂)
エキスパートナース 新・検査マニュアル(小学館)p17~p22
医学大辞典(医歯薬出版株式会社)
エキスパートナース「最新基本技術AtoZ(小学館)p174~p179
最終更新日 2019/1