看護関連用語集 あ行・ア

  • アーチファクト
    アーチファクト artifact
    人工産物、ノイズなどのこと。
    本来は自然や生物内に存在しない
    人工のものが現れること。
    心電図や超音波検査、MRI、CT等
    の時に、アーチファクトが発生する
    と、正確なデータの分析が困難になる。
    心電図のアーチファクトには筋電図
    や基線の動揺等がある。
    超音波では、サイドローブ、多重反射等がある。

  • 曖気(あいき)
    げっぷのこと。
    おくびともいいます。
    胃内のガスが食道を通って口腔内へ
    逆流すること。
    嚥下時や飲食時に少量の空気を呑み
    込む場合がる。
    食べ過ぎや炭酸等の摂取後、生理的に
    起こることもある。
    病的には、胃潰瘍や胃炎、胃がん、
    逆流性食道炎等が原因で起こる事がある。
    気づかないうちに空気を多量に呑み
    込む呑気症でもげっぷの症状がでる。


  • 悪液質(あくえきしつ)
    癌などによる全身の衰弱状態。
    タンパク質や炭水化物等の代謝異常。
    体重減少が特徴。
    悪性腫瘍の末期に見られることが多い
    悪性腫瘍の末期にみられるものを
    癌悪液質と呼ぶ。
    悪性腫瘍以外にも重症の結核や糖尿病
    内分泌疾患、血液疾患などでも見られる。
    食欲不振、るいそう、皮膚の乾燥や
    弛緩、眼窩や頬の凹み等の症状が見られる。


  • アダムストークス症候群
    アダムストークス発作
    心臓から脳へ拍出される血液が停止又は極端に減少して脳虚血
    となった状態で、眩暈や意識消失、痙攣等の症状が現れ最悪、
    死にいたることもある病態。
    原因は洞休止や高度房室ブロック、心室細動による心停止、
    心房細動、心房粗動、心室頻拍などがあります。

  • アッペ
    アッペ(App app)
    略語 業界用語 
    虫垂又は虫垂炎のこと。
    一般的に「盲腸(炎)」と言われて
    いるのは、正確には虫垂炎のこと。
    虫垂は右下腹部に位置し、盲腸の先端
    にある6cm程の細長い臓器。
    急性虫垂炎は急性腹症うち、最も頻度が高い。

    appendix 虫垂 
    appendicitis 虫垂炎
    appendicectomy 虫垂切除術

  • アトピー咳嗽
    アトピー咳嗽 atopiccough
    ゼーゼー、ヒューヒューといった喘鳴
    を伴わない空咳が何週間も続く咳。
    呼吸困難や発熱を伴わない。
    咳喘息と同じような症状で、大きな
    違いは、気管支拡張剤の効果があまり
    期待できないこと。
    アトピーやアレルギーの素因が強い為
    抗ヒスタミン剤がよく効く。
    抗ヒスタミン剤が効果がない、又は
    咳が強い場合はステロイド剤の吸入。
  • アトピー型喘息
    アレルギー反応によって起こる喘息。
    抗原抗体反応によって、引き起こされる。
    主なアレルゲンにはハウスダストや
    花粉などがある。
    ハウスダストにはアレルゲンとなる
    ダニの唾液や糞、死骸、カビ、
    猫や犬等の毛やフケ、唾液、糞尿等が
    混じっている場合が多い。

    治療の中心は、吸入ステロイド剤や
    抗アレルギー剤。
    急激な悪化や重症の喘息には、
    ステロイド剤の注射や内服薬。
  • アナフィラキシー
    急性で重いアレルギー反応。
    蕁麻疹などの皮膚の症状や、呼吸困難などの呼吸器症状、
    血圧低下、意識障害など重い症状(アナフィラキシーショック)を呈することが多い。
    中にはショック状態に陥り死亡することもある。

    詳細は下記ページをご参照下さい(当サイト内)
    アナフィラキシー
  • アナムネーゼ
    独語 Anamnese(アナムネーゼ)
    英語 anamnesis(アナムニーシス)
    略してアナムネということが多い。
    医学の分野での本来の意味は、既往歴
    病歴のこと。

    看護の分野では患者さんの主訴や、
    家族歴、病気や入院の既往、嗜好、
    睡眠時間、排泄の状況、食事、内服薬
    の有無や種類など看護に必要な情報を
    聴取することを、アナムネをとるという。
    入院時に、アナムネをとるケースが多い。
    患者さんやご家族から情報を得る。
  • アニソコリア
    anisocoria
    瞳孔不同のこと。
    病院では略して「アニソコ」と呼ぶ
    場合が多い。
    瞳孔不同は左右の瞳孔径がはっきりと
    異なること。
    多少の左右差は正常でも見られる。

    正常な反応として光をあてると瞳孔は
    縮小(縮瞳)し、暗くなると大きく
    開く(散瞳)。

    瞳孔不同の原因には、動眼神経の異常
    自律神経系の一部の障害、眼疾患等がある。
    動眼神経の異常は、脳出血、脳腫瘍、
    脳浮腫などで動眼神経が圧迫されると
    瞳孔不同の症状が出る。
    自律神経系の一部の障害では、
    肺腫瘍や頸動脈解離等で交感神経が
    障害されるとホルネル症候群を発症する。

    *ホルネル症候群は縮瞳,眼瞼下垂,
    顔面無汗症の3つの徴候を示す。

    *瞳孔は虹彩の中心にある円形の孔で
    眼に入る光の量を調節している。

    *動眼神経は眼球運動に強く関わって
    いる神経で、瞳孔に関しては瞳孔括約
    筋を収縮させ、水晶体に入る光の量を
    調節している。

  • アヘン
    麻薬
    アヘンはケシの実から採れる果汁を
    乾燥させたもの。
    アヘンに含まれている成分(アヘン
    アルカロイド)には、モルヒネ、
    コデイン、ノスカピン(ナルコチン)
    パパベリンなど、20種以上が知られている。
    鎮痛剤、鎮静剤、鎮咳剤、催眠剤、
    鎮痙剤、止瀉(ししゃ)剤等に使用されている。

    モルヒネは麻薬で毒薬に指定されている。
    コデインは濃度により、麻薬と非麻薬がある。
    1%以下が非麻薬。
    コデインは劇薬に指定されている。

    ノスカピン(ナルコチン)、
    パパベリンは非麻薬。

    *ヘロイン
    モルヒネから作られる麻薬の一つ。
    ヘロインは商品名で、一般名はジアモルヒネ。
  • アヘンアルカロイド
    アヘンに含まれるアルカロイド。
    アヘンはケシの実から採取される。
    20種類以上が知られている。
    よく知られたアヘンアルカロイドには
    モルヒネ、コデイン、パパベリン、
    ノスカピンなどがある。

    *アルカロイド
    アルカロイドとは植物中に存在する、
    窒素を含む複雑な塩基性有機化合物の総称。

    塩基性植物成分。
    少量で特殊な薬理作用や毒性をもつものが多い。
    数百種類ある。
    上記以外にも、コカイン、ニコチン、
    キニーネ、ストリキニーネ、
    キサンチン、アトロピン、カフェイン
    コルヒチン等がある。

    コカインはコカノキに含まれるアルカ
    ロイドで局所麻酔薬などに使用されている。

    ニコチンは主にタバコの葉に含まれる
    アルカロイド。

    アトロピンは主にナス科の植物に
    含まれるアルカロイドで、副交感神経
    の作用を抑制する。

    キニーネはキナの樹皮に含まれている
    アルカロイドで、マラリアの特効薬。
  • アヘンチンキ
    アヘン末をエタノールに浸して
    つくられた液状の薬剤。

    モルヒネやコデインなどアヘンアルカ
    ロイドのほぼ全てを含んでいる。
    激しい下痢や疼痛、咳嗽時などに処方される。

    *チンキ剤
    チンキ剤とは薬剤などをエタノールに
    浸すことで作られる液状の製剤。
  • アルカロイド
    アルカロイドとは植物中に存在する、
    窒素を含む複雑な塩基性有機化合物の総称。
    塩基性植物成分。
    少量で特殊な薬理作用や毒性をもつものが多い。

    数百種類ある。
    よく知られているものには
    モルヒネ、コデイン、パパベリン、
    ノスカピン、コカイン、ニコチン、
    キニーネ、ストリキニーネ
    キサンチン、アトロピン、カフェイン
    コルヒチン等がある。

    コカインはコカノキに含まれるアルカ
    ロイドで、局所麻酔薬などに使用されている。

    ニコチンは主にタバコの葉に含まれる
    アルカロイド。

    アトロピンは主にナス科の植物に
    含まれるアルカロイドで、副交感神経
    の作用を抑制する。

    キニーネはキナの樹皮に含まれている
    アルカロイドで、マラリアの特効薬。
  • アルコール消毒
    消毒用のアルコールで消毒すること。
    手指の消毒や穿刺部位の皮膚消毒、
    医療機器などの消毒にアルコールを
    使用して消毒することを、アルコール消毒という。

    消毒用のアルコールでよく使われて
    いる製品には、消毒用エタノールや
    消毒用イソプロパノールなどがある。

    手指を消毒する時は、適量を手に取り揉みこむ。
    穿刺部位などの皮膚を消毒する時は、
    脱脂綿やガーゼなどにアルコールを
    浸み込ませて塗布。
    医療機器(主にに金属製)を消毒する
    時は、脱脂綿やガーゼ等にアルコール
    を浸み込ませて拭き取る。

    *金属器具を長時間、浸漬すると腐蝕
    する場合がある。
  • 安静
    病気や怪我、手術後などに体を休ませること。
    安静にすることにより、エネルギーの
    消耗を抑え、疾病部位の負担を軽減し
    体力や病気を回復させる効果がある。

    怪我や骨折などでの安静は、傷口や
    骨折部位の修復に効果がある。

    絶対安静や床上安静などの安静の程度
    を安静度という。

    病気の種類や程度に応じて各病院等で
    安静度の基準がつくられている。
  • 安静度
    医師の指示のもと、患者さんの状態に
    合わせた安静の程度。

    例としては安静度が高い順に絶対安静
    床上安静(ベッド上安静)、室内自由
    病棟内自由などがある。
    疾病によっては細かな安静度が必要に
    なるケースもある。

    各医療機関や病棟などで基準が設定さ
    れている。

    絶対安静の例としては、急性心筋梗塞
    や大動脈解離、脳内出血直後、
    外傷直後、手術直後など自力で体を
    動かすことで、病状が悪化するおそれ
    が高い場合にはベッド上での絶対安静
    が必要になる。
    絶対安静時は全介助が必要になる。
  • アンビューバック
    Ambu社の商品名
    バッグバルブマスク(BVM)。
    手動式人工呼吸用バッグ。
    肺に手動で空気を送り込む為の医療機器。
    蘇生バッグとも呼ばれる。
    緊急時の呼吸停止や人工呼吸器が使用
    できない時などに使用。

    詳細は下記ページをご参照下さい(当サイト内)
    アンビューバック

  • アンプルカット
    アンプルカットとは
    アンプルの頚部のくびれている部分に
    アンプルカッターで傷を入れて、先端を折ること。
    又は、あらかじめ傷のあるアンプルをカットすること。

    詳細は下記ページをご参照下さい(*当サイト内)
    アンプルカット

 

◆参考文献
書籍
最新医学大辞典(医歯薬出版株式会社)p1,p159,p7,p948,p24,p1008,p28,p47,p49
「最新医学大辞典」医歯薬出版株式会社 p19 徐脈性不整脈 p685 洞房室ブロック p1329 p1018
「心電図・ナースのためのワークブック」金芳堂 p8 p92 p104
「ナース必携心電図マニュアル」小学館 p79 p92
「ナース必携最新基本手技AtoZ」EXPERT・NURSE 保存版 小学館 p118~
「ミッフィーの早引き看護略語ハンドブック」p39
ポケット看護辞典(廣川書店)
OXFORD ポケット看護辞典 廣川書店
ポケット版カルテ用語辞典 編集大井静雄 照林社発行 小学館発売
ナース必携最新基本手技AtoZ EXPERT・NURSE小学館 p44 p48 p49
ゼロからわかる救急・急変看護(成美堂出版)p172 p177
人工呼吸器ケアのすべてがわかる本(照林社)p154 p308
写真でわかる基礎看護技術①看護技術を基礎から理解!(株式会社インターメディカ)

インターネット
ウィキペディアHP内
https://ja.wikipedia.org/wiki/アーチファクト
https://ja.wikipedia.org/wiki/げっぷ
https://ja.wikipedia.org/wiki/悪液質
https://ja.wikipedia.org/wiki/徐脈
https://ja.wikipedia.org/wiki/房室ブロック
https://ja.wikipedia.org/wiki/虫垂炎
https://ja.wikipedia.org/wiki/アヘン
https://ja.wikipedia.org/wiki/麻薬
https://ja.wikipedia.org/wiki/ヘロイン
https://ja.wikipedia.org/wiki/モルヒネ
https://ja.wikipedia.org/wiki/コカイン
https://ja.wikipedia.org/wiki/ニコチン
https://ja.wikipedia.org/wiki/アトロピン
https://ja.wikipedia.org/wiki/カフェイン
https://ja.wikipedia.org/wiki/モルヒネ
https://ja.wikipedia.org/wiki/アルカロイド
https://ja.wikipedia.org/wiki/ノスカピン
https://ja.wikipedia.org/wiki/パパベリン
https://ja.wikipedia.org/wiki/アヘンチンキ
https://ja.wikipedia.org/wiki/消毒用アルコール
https://ja.wikipedia.org/wiki/バッグバルブマスク

製品の添付文書
70%消毒用イソプロパノール「ニッコー」
http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2615701Q2100_4_02/
消毒用エタノール「ケンエー」
http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2615703X1450_1_04/

PMDA独立行政法人医薬品医療機器総合機構サイト内
https://www.pmda.go.jp/files/000145291.pdf

MMI 蘇生バッグ 取扱説明書
https://www.muranaka.co.jp/upload/pdf/50202954_Z05_torisetsu.pdf

厚生労働省HP内
平成16年(2004年)10月 厚生労働省医薬食品局
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2004/10/h1028-2a.html