嚥下障害について


  • 嚥下障害について  項目一覧
    嚥下困難(嚥下障害)とは?
    嚥下困難の主な原因
    嚥下困難の対策
    経管(経腸)栄養法が必要なケース


  • 嚥下困難(嚥下障害)とは?
    口腔内の飲食物などがスムーズに胃の中へ移動しない状態をいいます。
    口の中にある飲食物が胃の中におさまるまでには、
    口腔→咽頭→食道を通過します。
    上記の過程に障害があると嚥下困難になります。



  • 嚥下困難の主な原因
    通過障害には口腔から食道にかけての器質的障害と機能的障害があります。
    器質的障害には腫瘍等による内腔の狭窄や炎症などによるもの
    機能的障害には脳血管疾患や末梢神経や筋肉の疾患、加齢に
    伴う機能の低下や認知症などがあります。
    その他にはうつ病や強い精神的ショック、拒食症等の心理的な
    要因で食事をすること自体が困難になる場合があります。
    拒食症の場合は摂食障害になります。
    薬物の副作用でも嚥下運動が障害される場合もあるようです。



  • 嚥下困難の対策
    嚥下困難が続いた場合は栄養状態が徐々に悪化してくるため
    経口摂取以外の方法で水分や栄養を補給する必要があります。
    初期に選択されるのが点滴などの補液になります。
    末梢静脈での輸液で様子を見ます。症状が改善しないようで
    あれば中心静脈栄養法(高カロリー輸液)か経管栄養法(経腸栄養法)になります。
    経管(経腸)栄養法を実施する場合でも静脈からの点滴を
    併用する場合もあります。

    病態によっては一時的な嚥下困難もあります。
    口腔や咽頭に炎症などある場合は、柔らかいものや流動食、
    冷たいものなどで経口摂取を試みます。
    症状や病態に応じて点滴が必要になるケースもあります。



  • 経管(経腸)栄養法が必要なケース
    基本的には嚥下障害の原因が改善せず長期間続く様であれば
    経管(経腸)栄養法か中心静脈栄養法になります。
    脳血管障害などの後遺症や末梢神経や筋肉の疾患、悪性腫瘍等
    の場合は嚥下困難が長期間続く場合が多い為、経管(経腸)
    栄養法が選択されるケースが多いです。


    ◇参考文献
    書籍
    PEG(胃瘻)栄養・適切な栄養管理を行うために改訂版フジメディカル出版 p121 p122
    胃瘻PEG合併症の看護と固形化栄養の実践 日総研
    最新医学大辞典 p142 p143
    家庭医学大百科 p124

    インターネット
    厚労省サイト内
    高齢者の口腔と摂食嚥下の機能維持・向上のための取組に関する調査
    https://www.mhlw.go.jp/iken/after-service-vol25/dl/
    after-service-vol25_houkoku.pdf

    ウィキペディアHP内
    ja.wikipedia.org/wiki/経管栄養