発熱


◆発熱とは?

発熱とは発熱物質や脳の疾患により
体温調節中枢が影響を受けた時に、
体温が上昇する機序を発熱といいます。

 

◆発熱の機序

発熱物質には外因性のものと内因性のものとがあります。
外因性の発熱物質には病原菌や毒素、
組織や細胞の壊死、薬剤などあります。
内因性の発熱物質は、外因性のものが
原因で体内でつくられる物質です。
内因性の物質には、インターロイキン1やプロスタグランジンE2、
腫瘍壊死因子などがあります。
細菌などが感染して発熱物質が作られると、視床下部(体温中枢)
に作用し体温を高く設定します。
発熱の主な原因には感染、脳の疾患、
ホルモン、薬物などがあります。


★~☆発熱のメカニズムの例★☆

風邪の細菌が体内に侵入(感染)
して上気道炎を惹き起こした場合

上気道に細菌が付着し増殖し、炎症を
起こすと(上気道炎)体の免疫機構が
働き、白血球が細菌を退治しようと働きます。
この時に細菌が白血球に作用して内因性
の発熱物質を産生。
外因性発熱物質(細菌)と内因性発熱
物質が、体温調節中枢に作用して体温を
高く設定します。

外因性発熱物質よりも内因性発熱物質の
ほうが体温調節中枢に直接作用することが多いようです。

平熱よりも体温を高く設定する理由は、
熱で細菌を退治しようとする自己防衛
反応が働くためとされています。


体温が高く設定されると血管や汗腺が
収縮して、熱の放散を防ごうとします。
放熱が妨げられると体温は上昇します。
設定された温度になるまでは寒気や鳥肌
手足の冷感などの症状が現れます。

設定された温度まで上昇すると、血管や
汗腺の収縮が治まり、 寒気や鳥肌、
手足の冷感などの症状も消失します。

白血球と熱により細菌を退治できれば、
体温調節中枢に作用する発熱物質がなく
なるため、平熱に戻ります(解熱)。
平熱に戻す時には、熱を体外へ出すため
の機能が働き、 血管の拡張や発汗作用
が促進され放熱が多くなります。
解熱時に手足が温かくなったり、汗をかくのはこの為です。

続きはこちらです⇒ 発熱の原因


体温項目一覧


◇参考文献
書籍
「最新医学大辞典」 医歯薬出版株式会社 p869
「ナース必携最新基本手技AtoZ」EXPERT・NURSE 小学館 p33~p36
「フィジカルアセスメントナースに必要な診断に必要な知識と技術」医学書院 p33~p35
「ナースのための感染症マニュアル」ナース専科 文化放送ブレーン p22 p23
「人体生理学ノート」 金芳堂 p57
「ナースに必要な日常英語表現と略語」第2版 医学書院 p158
「ポケット版カルテ用語辞典」編集大井静雄 照林社発行 小学館発売 p8
「家庭医学大百科」主婦の友社 p1231

インターネット
「ウィキーぺディア」
http://ja.wikipedia.org/wiki/バイタルサイン
http://ja.wikipedia.org/wiki/体温