痰(喀痰)とは?


痰とは気管、気管支、細気管支等の気道
の粘膜から分泌される粘液です。

口腔、鼻腔、咽頭、喉頭の粘膜からの
分泌物等も痰に含まれている場合もあり
ます。又、埃や塵、細菌、アレルゲン、
ウィルス、血液成分、細胞成分などが
含まれている場合もあります。

痰は水分を多く含んでおり、通常は気道
壁から吸収されたり、蒸発したり、唾液
とともに嚥下したりしてます。

口、鼻からの分泌物は、通常は無意識に
呑み込んだり、ティッシュ等で鼻をかん
だり、口からだしたりして体外へ出しています。

医療機関等で検査する痰は、咽頭、喉頭
下気道からの分泌物を対象にしています
特に気管支や肺の状態を知る上では大切
な検査になります。

上気道と下気道
上気道は、口、鼻、咽頭、喉頭までの部分。
下気道は、気管、気管支、細気管支、
肺胞までの部分。

気管、気管支、細気管支の異物等
気管支や気管内に異物(埃や細菌、ウィ
ルス等)や痰等の不要な物が存在してい
る場合は、線毛運動によりそれらを気道
の上部へ移動させる働きがあります。
異物が小さい場合(細菌やウィルス等)
は粘液により異物をからめとって、粘液
ごと移動させます。
咳嗽反射も異物や痰などを排出する為の
重要な働きを担っています。

肺胞内の異物など
肺胞内の場合は、肺胞マクロファージ
(白血球の一つ)の働きで異物を取り込
みます。
異物をとりこんだマクロファージは自身
の運動で気管支末端まで移動し、その後
線毛運動により気道の上部に移動します

鼻汁について
鼻水のこと。
鼻腔内の鼻腺、杯細胞(さかずきさいぼう)
等から分泌される粘液。
血管からの浸出液も含まれている場合も
あります。又、埃や塵、細菌、アレルゲ
ン、ウィルス、血液成分、細胞成分等が
含まれている場合もあります。


続きはこちらです→ 痰の観察

開設日:2017/09/10


痰(喀痰)について 項目一覧




◇参考文献
書籍
「フィジカルアセスメントナースに必要な診断の知識と技術第4版」p41
「最新医学大辞典」喀痰 p198
「今日の臨床検査」喀痰検査 p133~p135
「新検査マニュアル」喀痰検査 p46
「はじめてであう小児科の本」p78~p88
「smartnurse 目で見てわかる吸引・排痰術」p18~p20

インターネット
ウィキーペディア
https://ja.wikipedia.org/wiki/痰
https://ja.wikipedia.org/wiki/上気道
https://ja.wikipedia.org/wiki/下気道
https://ja.wikipedia.org/wiki/鼻水
https://ja.wikipedia.org/wiki/肺胞マクロファージ