PULL法・PUSH法

胃瘻を造設する具体的な方法は医療機関や
医師などにより異なります。
ここでは大まかな方法を記載しています。

◆特徴 
*ガイドワイヤーを利用して経口的に胃瘻チューブを挿入
*比較的太い胃瘻チューブを挿入出来る
*胃内固定版はバンパー型のみ使用
*体外固定版はチューブ型もボタン型も選択可能
*胃壁と腹壁の固定は任意
*胃内視鏡の挿入は2回
*腹壁からの穿刺は外筒付きの細い穿刺針を使用
(血管に留置する際に使用される針・エラスター針等)

*胃瘻チューブが口腔内を通る為、常在菌等による感染のリスクが高い


◆大まかな手順 例
①胃内視鏡を挿入
胃内視鏡を挿入し、胃に空気をいれて膨らませます。
胃を拡張すると胃壁と腹壁が密着します

②穴をあける部分を確認
内視鏡の先に点いているライトで、
腹壁から穿刺する場所を確認出来ます。

③腹壁から胃に針を刺す
胃瘻チューブを挿入する位置が決まったら穿刺部位に局所麻酔をします。
麻酔した皮膚に小切開を入れ、皮下組織を剥離します。
外筒の付いた針(エラスター針等)を刺します。
針が胃の中まで入ったら、針(内筒)を抜いて外筒を残します。

④ガイドワイヤーを胃内に挿入
外筒にガイドワイヤーを通し胃内に挿入します。

⑤ガイドワイヤーを口から引き抜く
内視鏡内の先にあるスネアで腹壁から挿入されたガイドワイヤーを把持し、
内視鏡と一緒に口外まで引きぬきます。

*スネア
先が輪っかになっているワイヤー又は鉗子
輪っかや鉗子は開閉が出来るようになっています。

⑥胃瘻チューブの挿入
口外に引き出したガイドワイヤーと胃瘻チューブを接続します。
腹壁側のガイドワイヤーを引っ張り、
胃瘻チューブを胃の中に引き込んでいきます。
胃瘻チューブのバンパー部分は軟らかい
材質になっており、胃内で固定され抜け
ない様になっています。

PUSH法では腹壁から引っ張らずに、
ワイヤーを胃瘻チューブ内に通して、
胃瘻チューブを口腔外から胃の中に押し込んで(PUSH)行きます。


⑦胃瘻チューブを体外へ出す
バンパーが胃壁にあたるところまで胃瘻チューブを引き出します。

⑧内視鏡の再挿入
内視鏡を再挿入して、胃粘膜の異常が
ないか、バンパーが適切な場所に位置
しているかなどを確認します。

⑨胃瘻チューブの固定
問題がなければ胃瘻チューブを固定します。
適切な牽引になる様に内視鏡で確認し、
外部バンパー(体外固定版)を調節し固定します。

*チューブ型の体外固定版は移動が可能。

続きはこちらです→ イントロデューサー法



胃瘻 項目一覧



◇参考文献
書籍
「PEG(胃瘻)栄養・適切な栄養管理を行うために」改訂版フジメディカル出版 2009
「胃瘻PEG合併症の看護と固形化栄養の実践」日総研 2007
最新医学大辞典(医歯薬出版株式会社)
広辞苑
ポケット看護辞典(廣川書店)

インターネット
ウィキペディア
ja.wikipedia.org/wiki/胃瘻

アルメディアWEBサイト内
胃瘻(いろう)カテーテルの種類
www.almediaweb.jp/nutrition-top/nutrition-002/part1/02.html

株式会社メディコンサイト内
胃ろう(PEG)の手術
https://www.crbard.jp/ja-JP/Patients-Caregivers/Percutaneous-Endoscopic-Gastrostomy/PEG-Surgery

経皮内視鏡的胃瘻造設(PEG)業績紹介ページサイト内
http://peg.fukiage-clinic.com/

看護roo!サイト内
PEGの造設術|PEGの造設方法・造設部位の選び方とPEG造設前後の管理ポイント
/www.kango-roo.com/learning/3962/

全国健康保険協会サイト内
内視鏡的胃瘻造設術
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/kochi/20140325001/naisikyouirou.pdf

在宅医ネットよこはまサイト内
http://www.zaitaku.in.arena.ne.jp/img/irou/004.pdf

「科学技術情報発信・流通総合システム」(J-STAGE)サイト内
https://www.jstage.jst.go.jp/article/gee/55/11/55_3527/_pdf