尿検査 概要

尿検査は検体検査の一つです。
尿は腎臓で作られ、尿管、膀胱、尿道を
通って体外に排出されます。
それらのどこかに異常がないかどうかを
調べる方法として最初に実施されるのが
尿の検査になります。
腎臓や尿管、膀胱、尿道等の局所の異常
例えば、結石や炎症、腫瘍など限局した
異常をしる手がかりになります。
又全身に関わる異常も知ることが出来ます。
例えば、糖尿病、肝臓、心臓、内分泌等
の異常を知る手がかりにもなります。


◆尿検査に必要な検体の種類
尿検査に必要な検体はもちろん尿になり
ますが、尿検査の項目や目的等によって
同じ尿でも採尿時間や採尿方法、採尿量
等が異なります。

尿検査で使用する尿には随時尿(採尿直
後の新鮮尿)早朝尿(早朝起床時の尿)
や全尿(24時間畜尿)などがあります。
一般的に多い検体が外来では採尿直後の
新鮮尿、入院中の場合は早朝起床時の尿になります。
より正確なデータを得る為には採尿直後
の新鮮尿や早朝起床時の尿がが基本になります。
細菌検査の場合は、中間尿やカテーテル
採取による尿などがあります。
他には、初尿、分杯尿などがあります。


◆採尿量
検査に必要な尿量は検査項目等により異なります。
尿の一般検査の場合は、排尿の全量では
なく部分尿になります。
排尿開始直後と終了直前の尿はそのまま
トイレに流し、中間の尿を採取するのが原則になります。
試験紙で検査できる範囲の項目であれば
20~30mlあれば充分だと思います。

一日のナトリウムや尿素の排泄量を正確
に把握する為には1日の排尿の全量
(全尿・24時間畜尿)が必要なります。

続きはこちらです→ 尿の採取方法

採尿時間の違いによる尿の種類
早朝尿、随時尿、畜尿、負荷後の尿などがあります。
早朝尿は朝起きた時の最初の尿になります。
随時尿は早朝尿以外の尿になります
畜尿は通常24時間に排尿された全ての尿になります。
負荷後の尿は、運動や前立腺マッサ
ージなどの負荷を与えた後の尿になります。

採尿方法の違いによる尿の種類
尿を採取する方法で最も一般的な
方法は自然排尿時の採尿です。
これは自然尿になります。
カテーテルを挿入して採取された尿
はカテーテル尿、膀胱に針を刺して
採取した尿を穿刺尿、一回の排尿を
分割して採取した尿を分杯尿といいます。

自然尿には全尿と部分尿があります
部分尿には、初尿と中間尿があります。
初尿は出始めの最初の尿になります
中間尿は排尿途中の部分尿になります。
出始めの初尿と終わりごろの後尿は含まれません。

尿一般検査とは?
最初に実施される主な尿検査で、
色調、pH、蛋白、ブドウ糖、
ケトン体、潜血、反応、ビリルビン
ウロビリノゲン、亜硝酸塩、
尿ちんさ、尿比重等があります。
上記の中で尿沈査や尿比重以外は、
肉眼や試験紙ですぐ調べることができます。






尿検査 項目一覧




◇参考文献
書籍
今日の臨床検査(南江堂)p122-p129 p625-628
最新データ検査値読み方マニュアル(文化放送ブレーン)p22-p31
医学大辞典(医歯薬出版株式会社)
エキスパートナース「最新基本技術AtoZ(小学館)p182 p183

インターネット
一般社団法人日本腎臓学会サイト内
診療ガイドライン - 第2章 検尿の原則
https://www.jsn.or.jp/guideline/kennyou/10.php
https://www.jsn.or.jp/guideline/kennyou/11.php
https://www.jsn.or.jp/guideline/kennyou/12.php
ウィキペディア
ja.wikipedia.org/wiki/尿検査