採血管内の薬剤


採血管内には、あらかじめ薬剤が入って
いる容器と入ってない容器(プレーン
採血管)があります。
あらかじめ採血管内に入っている薬剤に
は血清分離剤、血漿分離剤、抗凝固剤、
凝固促進剤などがあります。
血清分離剤のみの容器、抗凝固剤のみの
容器、凝固促進剤のみの容器、血清分離
剤と凝固促進剤の両方が入っている容器
血漿分離剤と抗凝固剤の両方が入って
いる容器、何も入ってない容器(プレー
ン採血管)などがあります。
検査項目に従って採血管を使い分けします。

検査項目や検体の種類などで、採血管内の
薬剤や採血管の容量等は異なります。又、
わかり易く識別できるように、採血管の
キャップの色も異なります。

取り扱っている検査機器や検査方法などに
より、採血管の種類も各医療機関で異なる
場合もあります。

各医療機関には、検査項目や採血量、容器
などを記載してある説明書等がおいてある
と思いますので、検査技師さんなどに確認
してください。


◆血液分離剤について
分離剤を使用することで、遠心分離した
時に、血清と血餅、血漿と血球を完全に
分離させることができます。
遠心分離すると、分離剤の下には比重の
重い血餅や血球が、分離剤の上には比重
の軽い血清や血漿に完全に分かれます。
検査や保管が容易でより正確なデータが
得られることになります。
検査する時に上澄み液の移し替え(デカ
ンテーション)が容易に行え、保管する
時には血清や血漿の移し替えは必要なく
採血管をそのまま保管できます。

分離剤を使用しないで保管する場合は、
別な容器に移し替える必要があります。

血液分離剤についての詳細は下記をご参照下さい。
血液分離剤について(当サイト内)


◆血液凝固促進剤について
血液凝固促進剤は凝固を促進することで
検査を早くすることが出来ます。又、
時間が経つと正確なデータが得らない
場合にも使用されます。
緊急時の場合や特殊な検査の時等に利用
されることもあります。
血清分離剤とともに添加されている場合が多いです。
凝固促進剤には、いくつか種類があります。
検査項目に影響のない又はより少ない
凝固促進剤が選択されます。

血液凝固促進剤についての詳細は下記をご参照下さい。
血液凝固促進剤(当サイト内)


◆抗凝固剤について
血漿や全血が必要な検査の場合は抗凝固
剤が必要になります。
抗凝固剤は主に血液の凝固の進行を防ぐ
役割があります。
血液は放っておくと自然に凝固します。
血小板や凝固因子等が時間の経過ととも
に消費され、血餅を形成して血液を固めます。
この時の上澄み液は、血清になります。

血漿や全血を検査する時は、抗凝固剤を
使用して血小板やフィブリノーゲン、
その他の凝固因子の消費の進行を防ぎます。
又、糖の分解を阻害する抗凝固剤もあります。 
抗凝固剤にはいくつか種類があります。
検査項目に影響のない又はより少ない
抗凝固剤が選択されます。

抗凝固剤についての詳細は下記をご参照下さい。
抗凝固剤(当サイト内)


続きはこちらです→ 検査項目と採血量等






血液検査 項目一覧



◇参考文献
書籍
今日の臨床検査(南江堂)
エキスパートナース 新・検査マニュアル(小学館)p17~p22
医学大辞典(医歯薬出版株式会社)
エキスパートナース「最新基本技術AtoZ(小学館)p174~p179

インターネット
ウィキペディア
https://ja.wikipedia.org/wiki/